トランスフォーマー:ロスト・エイジ

あらすじ:前作のダークサイドムーンから5年後。オートボットディセプティコンの戦いによって壊滅したシカゴの教訓から人類はトランスフォーマーを危険視し、ロックダウンと手を結びトランスフォーマー狩りを行いつつ彼らの死体から改良型のトランスフォーマーを作り出そうとする。

感想:
三回観たがどうしても面白さが理解できず苦しんでいたら、先日当映画がラズベリー賞を受賞したという吉報を聴き心が安定した。


今までは海外ドラマラスベガスに出演しつつもトランスフォーマーに出ていた主人公や、マリファナを吸引しているような両親の出番が無くなり。主人公は田舎で廃材から発明品を作ったり、機械の故障を直して暮らしている貧乏発明家のおっさんと娘と娘の彼氏が主役になる。
発明家のおっさんは序盤こそ田舎にいそうなイケメンだけど金の無いおっさんだが、宇宙人の銃を手に入れてから射撃能力が開花していき最強のスナイパーに成長する。え、コマンドーみたいに昔、特殊部隊とかに居たという設定なんでしょ?って思ったが劇中に一切そんな説明は無い。おっさんは発明の才能よりもFPSの才能があった模様。たぶんマイケルベイが「これカッコイイ」という発想で決めたのだろう。すっごく適当。
娘は金の無い父親が大嫌いで、彼氏が大好きの空気の読めない若者なので彼女の言動につらくなったら眼をつぶれ。彼氏も同様なので眼をつぶれ。どこら辺でまぶたを下ろせばいいか教えておこう。まずはロックダウンに狙撃されてオプティマスが倒れるシーン。オプティマスを応援するのは大いに結構だけどわざわざオプティマスに潰されている車に乗って応援する娘。案の定捕まる娘。ここら辺は眼を閉じろ。上昇する車に親父が窓ガラスを割れとアドバイスをした所、ガラスを平手でペシペシしているシーンには苦笑しかでないぞ、即座に眼を潰れ。(終盤に強力磁石が出るのに、なんでこのシーン捕獲が投網だったのだろう・・・。マイケルベイの「これカッコイイ」が理由か)その後、ロックダウンの宇宙船から碇を伝わって逃げ出すシーン。カイジみたいな摩天楼綱渡りに怯える気持ちは重々分かるが。そこそこ進んだ所で「ワタシ、やっぱり宇宙船帰る」という発言にはスチール缶程度なら握りつぶせる怒りを覚えるだろう。眼をつぶり耳をふさげ。シカゴ編さえ終われば娘と彼氏の出番は粗方終わって、あとは重要な部分で重要な役割をこなすだけのコマになるので楽しめ。楽しめって言っても、中国編は中国編でみんなアレだけどな。ハゲ眼鏡は前作のエージェントから富豪に成り上がったシモンズみたいなポジションだからウザクないぞ。アレはあえてピエロを演じているんだ。そもそも中国編にはこの映画最大級の癒しが存在する。最強の癒しだ。そう、それは巨大磁石に引っ張られるダイナボットちゃんだ。見えない手に摘まれてあたふたしている小動物のような可愛らしさがあるのでアレは何度観ても眼福になる。とくにトリケラトプス
三時間くらいあるが、ストーリー自体は粗が凄く、「なんでここでコイツはこんな風になるの?」ってシーンが沢山あるけど「マイケルベイが思ったかっこよさ」が理由だと解釈して乗り切れ。政府から逃亡しているのにいつも通りのカラーリングになるオプティマスとか、敵の爆弾で何故か金属化した死体になるルーカスとか、「今日の俺のドライビングテクニック冴えてる」と言い出す彼氏に、それはフラグでその車がトランスフォーマーでそのおかげかな?と思ったらただの車だったとか。同胞を解体された会社に乗り込んで「その言葉は冷めるぜ」とか言い捨てて撤退するオプティマスとか、俳句にならない言葉を俳句だと言い出す渡辺謙とか、無駄に背景に移りこむ企業のロゴとか、政府の虫型メカを即座にハッキング出来る程度の能力を持つ貧乏発明家とか。中国で「模造品に気をつけろ」と笑っていのか悩むギャグを飛ばすバンブルビーとか、作品を重ねるごとに出番がなくなっていくディセプティコンとか、敵を倒した後にどこかへ去っていくダイナボットがまるで仮面ライダーの映画に出てくる戦隊シリーズみたいな適当さとか。たくさんある3時間だけど。全ては監督の「これかっこよくない?」だから気にするな。気にしたら負けだ。眼をつぶれ。
ここまで眼をつぶったほうが得なシーンを書くと、まるで全てがダメのように思われるかもしれないけど。アクションや中国での乱戦は映像的に見所がある。最後の宇宙に向かうオプティマスは、ポーズ的にウルトラマンぽくて笑えるぞ。
不快になるほどつまらなくもなく、眠くなるほど単調でもないので、暇つぶしに最高の作品。