pink〜奇妙な夢(Mr.children)

69(ロック)の回



今日の変な夢をみた。
そのせいか朝の七時、目覚ましが鳴る5分前に起床した。
奇妙なあの夢をココに書きたいと思う。



始まりは、左右を高い灰色の壁に覆われた湿度の高いジメッとした空気が体に纏わりつく路地裏だった。
足元に配管された鉄パイプからはシューシューと蒸気が溢れている。リクルートスーツ姿の僕。
「ここどこ?」
見覚えの無い世界に戸惑っていると、黒のタートルネックのセーターを着た市川実和子似の女性が目の前に現れた。
だれ?なんて疑問が湧く前に女性は僕の手を引いて何処に連れて行こうとする。
「ちょっと、どこに?」
慌てて質問すると、女性は
「何言ってるの?夕食なのに何処行ってるの?」
と、怒り気味に答えられ、僕は心のどこかで納得してしまった。
どうやって、そのアパートに着いたかは分からない。映画のシーンチェンジみたいに次に気がついた時はちゃぶ台を囲んで食事をしていた。
僕と実和子似の女性とそいつの兄貴。
なんで兄貴と認識できるのかは分からない。でも、この人達を随分昔から知っているように思えた。一緒にいるだけで懐かしさが溢れた。
目の前の茶碗に盛られたご飯を食べてると、兄貴が寂しそうに僕に言ってきた。
「転属辞令が出ていた。僕らはどうやら違う部署にまわされるようだ」
どうやら僕と兄貴は同じ会社に勤めているようだ。そして、何処かに飛ばされる。


また次のシーンに場面が変った。
四方をステンレスに囲まれた冷たい空気が頬を刺す廊下を兄貴と僕は歩いていた。
兄貴は僕の前を歩き次々にステンレスで出来た銀色のギラギラした扉を開く。
僕も足早に進む兄貴に遅れないようについていく。飼い主に置いてかれないようにする子犬みたいだ。
一つ、二つ、と開くドア、5枚目のドアを開いた時、大勢のスーツ姿の男が両サイドに立ち中腰になって待っていた。
男たちはニヤニヤと薄笑いを浮かべていて入ってきた僕らを上目使いで微笑む。
胡散臭い、そんな印象しか持てない男達は両手を前に出しなにか小さな紙切れを持っている。よく見るとそれはその人の名刺のようだった。
兄貴はそんな男達を手馴れた手つきで掻き分けると適当にそこらの男の名刺を奪う。奪われた男はうれしそうに微笑み、子供みたいに両手を掲げてはしゃぎ回った。
僕も男を掻き分けて次のドアを開けようとした時、男たちが「お願いします」「名刺貰ってください」「仕事ください」といい大人が涙目になりながら懇願する姿が気持ち悪くて誰からも名刺を貰わずに次のドアを開けた。


アパートに帰ると女性が一人で夕飯の準備をしていた。
台所に立ち料理する後姿は幾度も見た風景だったけど、その女性が誰なのかは思い出せない。
ネクタイを緩め、スーツをハンガーにかけながら、女性に兄貴の所在を聞いた。
女性は僕の聞いていないことばかり答え始めた。
今は戦時下である事。
全ての食料や消耗品は配給制で、食事作りが難しい事。
転属されてから兄貴の性格が変ってしまった事。
僕の住まいは本当は隣り部屋。
彼女の話だと、ここは戦時中の日本。アメリカと中国の攻撃に対して大幅な軍備を進めているのだという、僕の住んでいたアパートの一室の隣り部屋に越してきたこの兄妹。気付けば仲良くなって一緒に食事をとる仲になったという。そして、僕と兄貴が転属された部署は、軍備に必要な機材や資材を作る会社を決める部署らしい。兄貴は毎日のように接待に出向き、いろいろと悪い事をくりかえしてるらしい。
僕はこのアホらしい世界にあっけらかんとしていると、彼女は口元を少し上げて瞼をピクピクして笑顔を作って食事を持ってきた。無理やり笑っているのがすぐに分かる。
食事を済ますと棚の上にビタミン剤の箱が見えた。戦時下でよくビタミン剤なんか買えたな、と訊くと「それは配給されたコンドームを入れておく為だけの箱。中にビタミン剤は入ってないの」と彼女は答えた。


彼女に言われた通りに、隣の部屋は確かに僕の部屋だった。確かに僕の部屋でも、実感が湧かない。隣りの兄妹の部屋のほうが正しいような気がする。僕は再び彼女のいる部屋に戻ると、部屋中が水浸しになっていた。部屋の真ん中で困り果てた彼女に
「どうしたの?」と訊くと呆れた声で笑いながら
「水漏れ……」
部屋中は水で濡れているのに、彼女は濡れていなかった。
彼女はなんだか嬉しそうに部屋中を跳ね回る。昔見たシングインザレインのワンシーンみたいだ。
僕は危ないと彼女を捕まえようとした時水に足を取られて彼女を押し倒してしまった。
水溜りに倒れ込む彼女、いつものタートルネックのセーターを着ていて、ぴったりしたセーターから浮き出る彼女の胸の大きさにドキドキした。
そっと唇を重ねようとしたその時、彼女が拒んだ。
「コンドームが無いからダメ」
僕は笑いながら、体勢を維持したままビタミン剤の箱に手を伸ばした。
「その中、本当はテーピングテープしか入ってないよ」
彼女は笑いながら言うので、彼女は照れて嘘をついているのだと思いました。
ビタミン剤の箱を逆さにして中身を出すと、コロコロっとテーピングテープが一つ。
「ほらね、残念♪」


がっくりして肩を下ろすと目が覚めました。



なにこれ?市川実和子似の女性って誰?兄貴って誰?戦時下の日本って?俺の会社って?
フロイトでもユングでいいから夢診断しくれよぉ・・・・・・。あぁ、やっぱ怖いからいいや。

よく読むと時代設定、世界設定は理由が分かりました。
昨日買って読んだ

機動旅団八福神 (1巻) (Beam comix)

機動旅団八福神 (1巻) (Beam comix)

と同じ設定。
戦時下の日本、アメリカと中国に攻撃される毎日
「僕はこれから、戦争に行く」戦時下にある、架空の日本。国を占領され、家族を失い、友も、故郷も、自我も、平穏も、恋も、夢も。すべてを失った8名の少年少女兵士たちは、「福神(ふくじん)」と名付けられた戦闘兵器に乗り込み、戦場へと出撃する!! (著者からの内容紹介より抜粋)


これだ……。


でも他はワカンネェーーーー。





でも一個だけは分かりました。これだけは目覚めた瞬間分かりました。確実です。




コバチは夢に出てきた市川実和子似の女性に恋してました。



まぁ、イタイ話です………。