ひぐらしのなく頃にを一ミリも知らない俺がアフレコしてみた《全24話》

結論から言おう!


泣いた。


ひぐらしのなく頃に」を本当に一ミリも知らない男が流れる映像のみをヒントに即興でアフレコするこのシリーズも、26日の放送を持って一旦終了した。
アニメ原作よりも、何十倍の謎を残したまま、よく分からない珍妙な設定のキャラが有象無象の如く闊歩しなんだか、よく判らないけど「新興宗教に毒されちゃダメだぜ!」というありがたい教訓のみを明言して終った。


元々は1話が去年の10月に上げられて、登場人物全てが自殺願望者という他に類を見ないダークなアニメだったが、回を増す事に髪の毛が黄色という理由だけでアメリカ人が登場したり、半透明のキャラに「私は未来から来た亡霊」という新しいのか古いのか分からない設定を押し付けたり、アフレコ主のキャラ贔屓がひどく、お気に入りのキャラが亡くなるシーンではアフレコを忘れて絶叫し悲しみに打ちひしがれたりする。まずシャフトが何処までも実験的なアニメを作っても辿り着けない極地のアニメであった。


またOPとEDも即興*1だが、視聴者の期待に反して歌が上手く、毎回ジャンルの違う高レベルな曲を歌う所にアフレコ主の無駄な才能垂れ流し状態も今作の醍醐味だといっても間違いない。


そして、何よりも原作を知らないはずのアフレコ主が紡ぐ話は、原作と微妙に重なり合う点があることである。まるで共時性かというほどに*2リンクする。この驚きは原作を24センチほど知らないと味わえないので、興味のある方は原作(アニメ)をご視聴したのちミリしらをご覧ください。


最後に私事。
原作(アニメ)の方の出来に納得いかなかった部分が多々あるし、なんと言っても澪尽し編で最初に惨劇回避したことが印象深かった私は祭囃子編がどうも好きになれなかった。それは羽入の謎が残されたまま鷹野三四主体の話だった事もあるし、部活メンバーが本当に成長したのか曖昧な感じだったからだと思う。*3
それはそれとして、ミリしらはよかった。文字に現せば簡単で在り来たりなラストになってしまうが、それでもアフレコ主が出来るだけ伏線を回収しつつ、ラストのハッピーエンドに持っていく辺りに、ある意味これが本当の惨劇回避なのではないだろうかと考えてしまうほどだ。
そして私的お気に入りの「恵子」嬢の毒舌が最高でヤンス!ドMのパドスを刺激されるその毒舌。原作ではいい子の設定分、そのギャップにやられた。いかなる時も毒舌、空気も読まずに毒舌を吐くその姿に恵子ラブの思いは最後まで止まりませんでした。


最後に恵子嬢の名言を紹介しつつ筆を置きます。


負け組みだってね。死なない事は出来るわ
ただ立ち上がってね、生きていくことが出来るのよ。
あなたがどうしようと勝手よ?
あなたは死のうと私は気にも止めない。
だけど、そんな負け組を見て嘲笑う人間が増えていくのは不愉快よ!


ねぇ、生きて御覧なさいよ。

*1:テーマは事前に考えてあるらしいが…

*2:単にその時の映像が一つしか解釈されない状態だったとしても

*3:澪尽し編のような三大惨劇の回避とか無いし……