キラーヴァージンロード

あらすじ:ふとした出来事によって結婚式前日に大家を刺し殺してしまった花嫁「沢尻ひろ子」は、大家の死体を隠しに樹海に出向く、その先で突如首吊り自殺を失敗して登場する「小林福子」。彼女は死体をうまく隠せたら私を殺してとひろ子に願うのであった。


感想:
いろんな映画を観ているのだが、「しんぼる」の後は何を見ても面白い。そうゆう映画においての苦味としてはしんぼるは一級品だった。
しんぼるの効果もあるが、それ以上に「キラーヴァージンロード」は面白かった。
出だしはミュージカル仕立てで「嫌われ松子の一生」や「パコと魔法の絵本」で有名な中島哲也監督を意識した演出かと思ったが、出だしのみで後半はミュージカル風な演出は皆無だった。
上野樹里の天衣無縫な飄々とした演技も可愛くもあり微笑ましいが、自分は断然木村佳乃の狂った女の演技に大満足。「おろち」で自分の美貌の為に他人の子供の生き血を移植したり、暴れまわる演技を見てから「この人演技素敵」と恋に落ちて。今作も木村佳乃の名前に惹かれての鑑賞だった。
ストーリーも、大団円への持って行き方にはちょい無理があるというか夢がありすぎるが、主人公の「ひろ子」の成長と、「優劣をつける事が幸せに繋がらない」というテーマは凄く暖かくなる終わりだった。
ともかく、監督があの岸谷五郎で、初監督としては良い出来です。
鑑賞中に後ろに座っていたおばさまがたびたび笑い、鑑賞後席を立つときに付き人に「本当に面白かったわ」とひっそり感想を言っている姿を見て。
これが映画館のいい所だなぁー。って本当に思いました。
映画館っていろんな人と一緒に映画を観て、いろんな人のリアクションが見れるから楽しんだよねぇ。