ヤバすぎるスキル( ラッパ我リヤ)
第61巻
今だにSWWEETを読むと後頭部がジンジンするのですがこれはヤバイ病気なんでしょうか?
と、そんな奇病を発症しながらも、IKKIの発売日である毎月25日になれば何より先に本屋に行って立ち読みしてしまうのだから末期症状です。
昨晩、思い出したのですが、後頭部ジンジン病はなにも最近発症したものではありませんでした。
あれは確か、小学5年生の時の一人遊び。
夕方から夜。日が沈み、あたりが静まり返ると僕は自分で考えたある遊びに夢中になっていました。
それは、まず六畳ほどの部屋に一人入ると部屋に置かれている家具の位置を覚えます。たんす、机、棚、段ボール、化粧台その部屋に置かれているありとあらゆる物の位置を頭の中にたたき込むと、部屋の電気を消しゆっくり目をつぶります。
その後は簡単です。手探りに歩いては、「ここには机がある」「ほら、あった」「もう少し左に行けば確か足元に段ボールが…でも、もし無くてこの先が崖になっていたらどうする?」なんてぐわいにうろうろ歩いては足元にありもしない恐怖を作り、勇気を出して手を伸ばした先に物の当たる感覚に喜ぶ。
今の自分ではなぜそんな遊びをしたのかまったく分かりません。ただあの時はアレが無償に楽しかった記憶だけあります。
そんなゲームをやり続けていたある日。いつものように電気を消して、目をつぶる。すり足で一、二歩歩いた時です。「確か、ここから左に手を伸ばせば、カーテンに手が当たるはず」と左手を横に振った時でした。
ぷにゅ。と温水の入った水風船を触った時のような軟らかい感触が指先に感じました。
「おかしい?この部屋にそんな感触のするモノ無いはずだ」
この部屋にあるはずの無いものがあると言う恐怖が僕の体を包みます。
体中に鳥肌が立ち、僕の心の中には「もし今、目を開けたら誰かに殺される」なんて根拠の無い不安が溢れました。
体中からじっとりとした汗が吹き出すと目をつぶったまま、僕は急いで記憶を辿りドアの元に走り部屋を出ました。
ドアを外側から押しつけ、中にいる怪物が出ないように祈りました。数分後、何の音もしない部屋に、僕は深呼吸をして心を落ち着いた後、思い切って部屋に入ってみました。
真っ暗な部屋に驚きながらもドアの横にある電灯のスイッチを押すと。
なにもかわらないいつもの部屋でした。怪物もいなければ、カーテンのそばにもあの時感じた物体はありません。
僕は急いで外に出ると、玄関先にいた祖母に「怪物が逃げた!」と泣きながら叫んでいました。
なんすかこれ?
あの日触ったモノなんすか?
俺病気っすか?
なんて事を昨日の夜ラジオを聞いていたら急に思い出しました。後頭部がジンジンです。「部屋のドアが開いたらアイツが来る」なんつ訳の分からないこと考えて寝ました。
ヤバい!ヤバすぎる!!俺
- 作者: 青山景
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/10/28
- メディア: コミック
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