プレッシャー

「ちょっと聞いてよ!ビオさん。大ニュースがあるんですよ。凄いよ、俺の人生初だから!!!」
「な、なによ。そのハイテンション。も、もしかして、内定貰ったとかそうゆう明るい事?」
kobachiは部屋中を踊りながらクルクル回ると、ベッドに飛び乗り叫んだ。
「警察に捕まっちゃいましたぁ!」
「えっ?」
「すげぇんだって。白バイってホンダ製なんだよ」
「あ、うん。kobachiさん落ち着いて説明してね。事によるとこのブログを消して海外逃亡しなければいけないから」
ベッドの上で飛び跳ねるkobachiは笑い続けて一向にビオの言う事を聞かない。
「ら、ラリってる?!確かに最近のkobachiさんは何か吹っ切れたような様子がみれたけど。薬に頼って……」
「ひゃほぉぉぉい。俺はアウトローだ。無法者だぜ!警察のお世話になったクズ野朗でござい」
ビオは涙目になりながら、kobachiの頬に数発平手打ちをかました。kobachiはハッとして正気を取り戻すと静かにベッドの上に座った。
「kobachiさん!人間を止めないで、薬を止めなさい!!あなたは確かにクズ野朗だけど、こんな若い内から全てをあきらめちゃダメ!!」
「は、はい」
「何があったか、教えて」
「一時停止を見逃して、走ったら白バイが……。その後、路肩で事情聴取を受けて、何でだか分からないけど、俺の人生についてダメ出しされて、まだ人生長い。いろいろな良い事がこの先待っているから頑張って生きるんだよ。なんて金八みたいな説教を貰って……」
「うんうん。それで……」
「なんで、あの警察官は俺を見て、そのような人生の教訓と死ぬ事はいけない事を教えてくれた事か気になって。考えていたら、たぶん、俺は初対面の人間にすら死にたがリな存在だと認識されるほどのダメ人間に落ちぶれてしまった事に気付いてしまったら、人生なんてもうなんだかどうでもよくなって……」
「そ、それは単に考えすぎなだけではないの?」
kobachiはすっと立ち上がると、怯えたような目で窓の外を見つめた。
「違うさ。なんとなく分かっていたんだ。もう何もかも無理な事に。誰からも認めらず、世間から蔑まれて生きていくしかないのさ。死にたいなんてもう思わないけど、死ぬほど辛い思いをしてまで生きる事が出来るほど柔軟じゃないから」
ビオはゆっくりkobachiの元に近づくと手を差し伸べた。
「とにかく、kobachiさん。持っている脱法ドラッグを出して……」
大きく目を見開きkobachiは叫び部屋を飛び出し走り出した。
「薬なんか買える金ねぇーよ!!!」
一人部屋に残ったビオは思う。禁断症状だわ。っと。<真実95%>