リトルドラゴン

立川談四楼著『ファイティング寿限無』を読了。
落語家の小龍は、知名度を上げる為にプロボクサーを目指してボクサージムに入門する。そこで、意外な才能を開花してプロボクサーの階段を駆け上がる。しかし、元は話題作りの為のボクシング。落語とボクシングの中で葛藤する。

プロボクサーと落語家という二束の草鞋を履く生活って、ちょっと考えると去年のタイガー&ドラゴンを思い出す。アレはヤクザと落語家の二束の草鞋生活だったけど。
まぁ、この作品。落語家の立川談四楼が書いただけに文章の流れやスピードが上手い。スイスイ読めるし、ベタベタな内容にもクスリとした笑いがある。
本人が、最後にボクシングを選ぶのか落語に戻るのか、両方を取るのか全てを捨てるのかは読んでみてくればいいと思います。
この作品で言う所は、『二兎を追うものは一兎をも得ず』と、『売れる為にはただ落語を真剣にやればいいって時代じゃない。何か付加価値を付けないといけないぜ』って事。後者は別に落語だけに通用した事じゃなくて、今の時代は個人の趣味も多様化しているし多くの物で飽和状態。ただ一つの事を真剣にやっているだけじゃ、なかなか世界はお前を見てもらえない。世界に注目されたり、何処かで有名に成りたかったら一つの特技を持てって事だと思う。
龍四楼師匠はどうみても立川談志師匠。龍之輔は立川志の輔師匠と、実際のモデルが見れるキャラが多数登場。

ファイティング寿限無

ファイティング寿限無




名言
昨日今日とそうとう凹んでも、明日がよければ人生は儲けもん。明日こそ人生最良の日だぜ。
LIFE GOES ON/RHYMESTER