中間者の憂鬱

ビオです。
kobachiさんは縁側で寝転がって雨を見つめては溜息を吐いています。世捨て人のモノマネでしょうか?
仕方ないので私が代筆します。
今日のkobachiさんは、CSI:2が放送終了してしまった事に軽く絶望して中々起きませんでした。たしか起きた時間は10時だったでしょうか? 全く勤勉に働く会社員の方や学生がこれを見たらブチ殺される事必至ですね。
彼は、その後、遠方の名も知らぬ銀行に向い出かけました。いつもの方向音痴で何度も何度も道を迷い。そこらを散歩するご老人に道を尋ねればいいのに、そのお金にもならない肥大化したプライドが邪魔して尋ねられないようです。結局、一人で何度も道を迷い元の道に戻ろうとしてまた迷っていました。
2時に目的の銀行に行き、たぶん出所を聞いてはいけない大金を持って出てきました。銀行強盗をするほど度胸は無いのでたぶん昔作った銀行通帳でも見つけたのでしょう。彼は原付に跨ると今度は「花屋花屋……」と囁いているので、花なんて何で買うの? と尋ねてみました。彼は少し恥ずかしそうに顔を逸らして、元カノさんへの誕生日祝に贈ると言いました。キザすぎです。そしてお金の無い私達がそんな所で浪費しては、またガソリンを買うお金も無くなり、徒歩でコンビニに行ったり、偉大な友人さんたちに奢ってもらわなくてはいけなくなるじゃないですか。そのお金を使って少しは将来について考えたらどうなんですか? 第一、元カノさんはそうゆう贈り物をしたって喜ぶとは限らないのに。どうせ、お返しにクッキーを貰うだけですよ。花に対する見返りがクッキーじゃ割が合わないじゃないですか。たぶん3000円ぐらいの花束を贈ると仮定して、きっと3000円分のクッキーは貰えませんよ。全くこの人は。花を贈るのは、いつもこのゴク潰しに毎日三食ちゃんと餌を与えてくれる母君様に贈りなさいよ! 
と、私はこのバカにグジグジ文句を言っていたら、kobachiさんは花屋を見つけたようで原付を止めました。花屋に入ると色とりどりの花が咲き乱れ、私は綺麗に咲いた赤紫のアジサイの鉢を見ながら「ゲッ、これが3500円。このサイズなら近所に生えているのに
……」と生花の値段の高さにちょっと引いていたら、kobachiさんは奥で店員のおばさんと話しています。聞き耳をたててみれば「5000円」とか聞えたので彼の元に走り寄ると確かに彼は5000円を払っているじゃないですか。このバカ!! これで何食食べれると思っているの! これで求人誌を買ったら毎週100円として50週、つまりは一年弱求人誌の購入に困らないのに……。彼はもう元カノさんの事を考えて脳がアホになってしまったのだと思います。”恋は盲目、それじゃ見えないリスクと損得”とスケボーキングも言っていたのに。彼は私の制止を振り切りおばさんにお金を払うとメッセージカードを書き始めました。横から覗いたら、バカを絵に描いたような駄文だったのでココには書きません。
財布の中にはもう五百円しかありません。もう何も買えないと愕然とする私を尻目に彼はまた原付を飛ばします。雨も降り始めたので家路を急ぐと思いきや、今度は寄り道です。とある一軒の事務所のような所に原付を止めました。生憎その事務所は休日のようで閉まっていましたが、彼は何かに動揺しているようでした。「どうしたの?」と訊くと、ここで明日面接なんだ。と彼は言いました。面接? そうでした先月送った履歴書の送り先から昨日連絡あり、どうやら明日面接と相成ったのでした。上手くいけばこれでニート脱却です。あくまで上手くいけばですけど。
kobachiさんは、感慨深い顔をして原付のスロットルを回してその場を去りました。雨は時を追うごとに強くなり、私達の体を濡らします。
家に着き、原付から降りると雨は小振りになり、今現在こうやってブログを書いている今では未だに曇り空ですが雨はやんでいます。天気予報では明日は雨らしいですkobachiさんは時折「明日雨じゃ原付乗れないから面接行くの辞めようかな」と心にも無い事をほざいては空を仰いでいます。なんだか希望と絶望の間で浮遊しているような気持ちです。地に足がつかない感覚。絶望にも浸れず希望も持てない今の状態から早く抜け出せればいいですよね。