もう夏が終わるね。いや、俺に夏なんて来ていないよ。ここ数年

まぁ、追記。


先日、劇的な出会いによって恋に落ちた俺とゴスロリ女の話をしよう。
後日、再び出会った俺らは、ゴスロリ女を狙う秘密組織の追撃をかわし、国家の存亡を揺るがす危機を互いの愛で回避し、日本を我が物とする大和民族よりも先に日本列島に住んでいたと言われている先住民族『山人』の幽界よりの誘いを振り切り、CIAを倒し、MIBを殴り、元KGBから武器を密輸入して、バイト先の激務に耐え、彼女の微笑みに救われ、彼女が勝手に書いた婚姻届が何故か受理されて結婚したり、しかし、日々の忙しさに一日から彼女を忘れて、その事から関係がギクシャクして、それにいち早く気付いた友人に夕日の河川敷でぶん殴られて「お前なら彼女を幸せに出来ると思って俺は身を引いたのになんて体たらくだ!」とどやされて、「へっ、何が身を引いただ。そうゆう事を今になって言うお前は卑怯者だな」なんて反論して、口喧嘩から殴りあいになって、その現場を買い物帰りの彼女に目撃されて、「二人ともやめて」なんて止めに入った彼女をつい我を失った俺はぶん殴ってしまい、石だらけの川辺に尻もちついて泣き出す彼女に俺はあたふたしながら「ゴメン」と言ってもそれはもう後の祭り。彼女は俺を突き刺すような鋭い眼差しで見抜くと「もういい。あなたはもう愛想がついた」と彼女は下腹部を大事そうに撫ぜながら俺の元を去り、そのショックから酒びたりになった俺は空になった酒瓶を片手にスーパーに酒を買いに行けば、仲良さそうに手を繋ぎ歩く彼女と友人。咄嗟に物陰に隠れて二人の動向を探るように後をつければ、仲睦まじい二人に駆け寄る少女の姿。あぁ、あれが俺の子供なんですね。あの時突き飛ばしても生まれいでてくれた丈夫なわが子なんですね。そして、その事実を知ってか知らずか、いや知らんわけ無いだろ。承知の上で育ててくれる友人。我が子よ。生みの父は肝硬変にならずに酒を文字の如く浴びるほど呑んでいるぞ。決して酒を呑んでも呑まれるな。そしてその育ての父を大事に生きるんだぞ。と、そっと店を出て手に持っていた酒瓶をそこらのゴミ箱に投げ捨て、心機一転を誓い、帰り道の途中に立ち寄ったドンキで習字セットを購入。お父さんは真面目になるからね。と部屋に帰るや否や習字セットを広げ、墨を摺り新品の真っ白な毛を揃える筆に十分に墨を吸わせ、まず一筆。人生を振り返り全てを一掃し、新たなる船出を新しい朝に向けてささっと筆を進める。数分後、俺の前の白紙にぎこちない文字で並ぶ。『明日こそ頑張ろう』と……。



いや、壮大な妄想を一気に書いてみた。
ちなみに現実はあれ以来ちょくちょく例のコンビニに出向いてはいるが、一向に逢えず、彼女はもしや流離いのゴスロリ少女なのではとちょっと不安になる今日この頃です。