not simple

俺は小さい頃に、「普通じゃない」生き方がしたい！破天荒な人生を送りたい！！とよく願っていたものさ。そして今に至った訳だが、当時の願いがいつの間にか叶い俺の人生は俺的には「普通じゃない」人生へと変革してしまったよ。
でも、今思えば、「普通」ってなんやねん？誰がどのような基準で「普通」を定義するの？
それはきっと、自分を誰かと比較して「普通」とか「異常」とか決めるんだと思うよ。だから、俺の主観からすれば、23歳で彼女無しであのクソみたいな会社で皮膚病患いながら働く俺は「普通」じゃないのさ。そして、それを「普通」とか「当たり前」と感じたら俺はお終いなのさ。

と、脱線。
この本「not simple」は、アル中の母親と働きマンの親父が離婚した事により離れ離れになってしまった姉弟が再び出会うためにアメリカ中を歩き回る話。

感想、この漫画家「オノナツメ」、舞城と同じ匂いがする。と言いますか、帰国子女かアメリカ住在しているだろうと思わせる独特な雰囲気を漂わせていてクール。絵もクールだけど、内容も冬の夜のような冷たいキーンとした空気が充満していて最高でした。
750円と漫画としてはちょっと高めですが、読み終えたときまるで誰かの一生分の人生に寄り添ったような気持ちになり幸福というものを考えさせられました。

えぇーと、とにかく騙されたと思って読んでみろ！
お前の「普通」に感謝するから。

not simple (IKKIコミックス)