パンク侍斬られて候

町田康著「パンク侍斬られて候」を読了。
とうとう、現在発行している町田康作品は全部読み終えたぜ。やった、そして町田康最高。

あらすじ、超人的剣客で牢人の「掛十之進」は、新興宗教「腹ふり党」の専門家だと嘘を付き、黒田藩に就職をしようと策を練るが、当の「腹ふり党」が自然消滅をしていた為に自ら「腹ふり党」再興をするのであった。
と、言うなんとも下らない話なのだが、話はそれに終わらず、再興した「腹ふり党」が思ったよりも元気に成り過ぎて城下町を火の海にしたり、人語を喋る猿が現れたり、超能力を使う男が錯乱したりともうてんやわんやになる。最後のほうは、「権現の踊り子」に収録されている「ふくみ笑い」のような、SFテイストな奇怪な世界を作り出し、もう読者の俺は置いてけぼりで本は疾走して終わった。
前に読んだ「告白」が異常に素晴らしく筋が通っていただけに、今作の「パンク侍〜」は支離滅裂というか奇想天外、滅茶苦茶な話にあっけに取られてしまった。でも、面白い。時代劇に組織で起こる葛藤や部下のダメさを描いている辺りとか、茶山の言葉とか。

パンク侍、斬られて候

パンク侍、斬られて候