誰の人生にも雨は降る、暗く悲しい日がある
「何が悲しい?」と尋かれたって、何も哀しんでなど居ないさ
と歌っていたのは、椎名林檎でした。
そして、
丁度太陽が去っただけだろう。微かな希望と裏腹に、ごく当たり前の白け切った夕日を迎えた
と、続きます。
僕は、その歌を聞くたびに昔デビットリンチ監督が親族の葬儀がトラブル続きで式中に大笑いしてしまった事を思い出します。
厳粛で悲しみが溢れる式場に木霊する中年男の笑い声。
後日にデビットリンチ監督はその事に対して、「亡くなった人に対して生きている僕らがとれる対応は悲しむだけじゃないはずだ」と言っていました。
そう言えば、今年は祖父の兄弟が亡くなりました。
葬儀に出た僕は、生前付き合いもよかったはずなのに、心の中には悲しみの欠片もありませんでした。
火葬場の窓から流れる雲を見た時、空の青さに唖然としたくらいです。
みな悲しんでいる夜のように暗い場所なのに、なんで空はこんなに明るいのだろうと。
椎名林檎はこう歌ってこの歌を締めています。
さあもう笑うよ