「ステイ・チューン」が言いたくて…冬

俺が胎児と受精卵の間ぐらいだった時の将来の夢は、「お父さん、そんなに強く母上の腹部をぶん殴らないで」ではなく、「もし、無事に生まれたらラジオDJに成りたいなぁ。まぁ、嘘だけど……」でした。


現在パソコンの性能の向上と、プロとアマの垣根が刑務所と外を隔てる屈強な壁から、段ボール紙程度に劣化したことにより、誰でも気軽にネット上にラジオ番組を持てる時代となりました。



その事により、一度実験的に「やってみようか」いやはや生き恥を晒す結果となる事が目に見えているのだから「やらまいか」いやいやはたまた「やらないか」とまぁ、「やる」の三段活用を思い出しながら考慮していたのですが、「少年老い易く、学成り難し」「人生短し恋せよ乙女」「夜は短し歩けよ乙女っつーか、万城目学鹿男あをによしは面白い?ねぇ、どっちが面白い??」なのでさっき携帯のICレコーダー機能を用いて、「テステス、本日は晴天なり。そう、晴天なり、晴天だけどこの大空を彼女は見ることが出来ない……何故って、写輪眼の使いすぎで……」と適当に思いついた言葉を紡いで、再生ボタンを押した所、なんと聞こえてくる声が俺じゃないんですよ。俺の口調を真似て同じ内容喋るなぞの男の声が聞こえてきたんですよ。
ありゃ、新手の妖怪ですよ。
もう、それで凹んだ。自分の声を他人がこんな風に聞いていたかと思ったら口を糸で縫い合わせて、一生喋らず生きていきたいと深く深く落ち込みました。


後、この前車を運転しているときに10分フリートークをしてみたのですが、予想以上に10分話すことが無い事に驚き唖然としてしまい、トーク力の大切さに気づきました。