図書館戦争#1#2

フジのノイタミナ枠は「モノノ怪」や「墓場鬼太郎」「もやしもん」とかで、いつもそれなりの高水準アニメを放送していて、安心して観れる枠の一つだけど。
図書館戦争のつまらなさに深夜驚きすぎて三十分間「ポカーン」としてしまった。


まず、私が誤解していた。
図書館戦争の原作は表紙の絵柄しか知らない私は、タイトルの図書館戦争という言葉から。図書館を閉鎖しようとする行政(あるいは生徒会)と、それを阻止しようとする図書委員が繰り広げるコメディーだと思っていた。例えるなら、初期から中期の高橋留美子作品に於けるドタバタ劇。*1
しかし、実際の図書館戦争は、『時は2019年、公序良俗を乱し人権侵害の表現を取り締まる「メディア良化法」が施行された現代。強権的かつ超法規的な「メディア良化委員会」とその実行組織『良化特務機関』の言論弾圧に唯一対抗できる存在、それが図書館だった。かくして図書館は武装し、良化機関との永きに渡る抗争に突入することになる。図書館の自由を守るために』by,Wikipedia
と、書かれてもよく分からない方も多いと思うので私なりに一話二話を見て粗筋を書いてみる。
『近未来、メディア良化法(人権擁護法案みたいなもん)が施行されて、発行図書を取り締まるメディア良化委員会が発足。それに対抗する為に図書館が武装して図書の保護と表現の自由を掲げる。主人公の笠原郁*2は、高校生の時、その武装図書委員に助けられた事から図書隊に入隊する。先輩にしごかれつつも持ち前の明るさで頑張っていくのであった』とまぁ、主人公は特殊能力も無く。図書隊の所を自衛隊でも、関東軍でも、ジオン軍でも、連邦でも、ソレスタルビーイングでも、なんでも軍備を持つ団体に置き換える事が出来るので、図書館戦争と銘打っていても、今の所そのような戦争っぽさは無い。どちらかと言えば、先日再放送していた上戸彩主演の「アテンションプリーズ」の軍隊版*3とでも言える。*4装備も今の所白兵戦が主体となっているようでアパッチが飛んだり、青い色の蜘蛛の形を模した無人兵器*5も登場せず、もちろん光学迷彩も無い。というか、教官と主人公とのラブコメ展開が主体のようで戦争という意味は主人公の「ちょ、なにこのもやもや。もしかしてこれが恋? まさかあんな奴に恋するなんて絶対にない」という中学生のような己の葛藤を『戦争』としているのかもしれない。
つまりは、図書が大好きな大きな男の子には「図書関係ねーじゃん」だし、軍事が大好きな男の子には「図書の確保が第一優先なら、喋ってねーで降下しろよ、ボケ!!」というラブコメ展開に萎えてしまうし。ラブコメ大好きな大きな女の子には「えぇー、なんか世界観がめんどくさい。いいじゃん自衛隊物語で」と世界観の複雑さと図書を必死に守る事よりイケメンの男を守れよ! と軍事や図書館が野暮ったいのだと思う。


ようはつまらない。


まだ二話だから、結論付けるのは間違いだが、二話までの感想は「つまらない」。
伏線はありきたりでミエミエだし、良化委員会が時代劇に登場するような浅はかな悪党に成り下がっているし、正直どうでもいい愛のフラグが立っている。「萌え」を過度に強調するアニメはそれはそれであまり好かないが、あまりにもリアルすぎるアニメの癖に誰一人死ななそうな綺麗すぎるアニメはもっと嫌いだ。「死ね」というよりも、戦争や紛争を題材にしているのだから誰か1人は死ぬべきであるし、傷つくべきであると思う。


もちろん、上記の言葉は、今後のアニメの展開によって払拭される可能性があるので、私個人の意見を鵜呑みにせず、今後の展開に期待しつつ視聴を続ける事を私はお勧めしますが、私は見ません。
全話放送後に、周囲の評判から判断して観るか観ないかを決めたいと思います。
作画や音楽はプロダクションI.Gや高橋瞳さん、Base Ball Bearさんとかなり良いです。

*1:世界観も馬鹿なら、登場人物も馬鹿ばっかりで最終的には地球規模のどんちゃん騒ぎで爆破オチみたいな。

*2:こと、南夏奈

*3:「私はのろまな亀です」とでも言ってくれればそれはそれで面白いかもしれないのに

*4:温いGIジェーンと言うと、デミムーアに失礼

*5:製作がI.Gなので