百舌谷さん逆上する(1)/篠房四郎

「百舌谷さんはツンデレです」
という強烈なフレーズから始まるこの漫画。
世に媚びた萌え漫画かと思わせて置きながら、篠房四郎お得意の人間心理を深く付いた一品。
ツンデレとは何か?! 最初はツンツン仲良くなってデレデレでいいのか? 初期は人前ではツンツン二人っきりになるとデレデレ。ではなかったのか?」
というそんなツンデレの定義を議論する訳ではなく。
自分の気持ちを素直に表せない病気を持った百舌谷さんがクラスの男子の事を好きになって、その恋心の表現として病院送りにしたり、反省し衝動を抑える為に低周波治療器を身体中に装着してのデートを敢行したり。下僕を下僕として詰ったり罵ったり足蹴にしたりする漫画です。
皆さん。「ツンデレだから愛情の裏返し……」が何処まで本気か分からないツンデレ百舌谷に「萌えー、萌えー」と言いましょう。



オマケ漫画の方が実はもっと面白くて「げんしけん」や「メイド喫茶」「電車男」のお陰で市民権を得たオタクは、もう昔のような澱んだドブ川のような汚く底の見えないオタクでは無くなったという巨乳の話です。
俺はちょうど篠房先生と後輩の中間に存在しているのでドッチも共感しました。
マイナーなジャンル(本人はそう思っていないだろうが……)のオタクの人達は今だに、堂々と「オタクです」と発言したり、公園で「ハレ晴れユカイ」を踊る若き男女を見て篠房先生と同じ事を思うのだと思います。

百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)

百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)