終了の合図に怯えながら戯れる。

本当に私の出番って少ないのよね。
ちょっと聞いてる?
ほら、私もいつまでも彼の脳内彼女に甘んじてる場合じゃないって思うわけよ。なんていうの、天から授かった才能っていうかね、もっとグローバルな活動をしないといけないと思うのぉ。
うん?



なに?



出番?



そ、そうって、


こんにちわ、みんなのアイドルでありながら、誰にも二次設定を描かれない事でお馴染みご存知承知の助の「ビオ」ちゃんでーす。
久しぶりすぎて、みなさん私の事を忘れていると思うので、ここで軽く自己紹介しまーす。
この「ネガティブハッピー・ローリングアタック」の管理人コバチさんの病的なまでの妄想力によって生まれたコバチさんの脳内彼女ビオです。
リアルでコバチさんに逢っても「ビオって誰?」とか「ビオの名前の由来は?」とか「ビオちゃん紹介しろよ」というと、本当にコバチさんがイタイ子に見えてしまい、そしてコバチさんの対処に困るので私の存在はココだけの秘密だぞ☆
基本この「脳内会話」では、コバチさんに降りかかったどうしようもない事件・事故を本人の口から話すことが憚れるので、私が代筆するという形で進みます。


今日のコバチさんは、最近再発した欝に心を病み、「もう、俺なんて死ねばいいんだ」とか「煉獄に下りたい」とか「一生モテなくていいから、TKが持つ機材と才能をくれ。本当は中田の才能の方が今時だからほしい」とか「やっぱ死のう」等と、小言で呟いては、6月の天気のようなジメジメした態度を取ってます。
本当にたびたびあることなので、正直私も慰める事に疲れてしまって、元カノさんが「あんたにはついていけんわ」と漫才の〆の台詞を吐いて別れを告げた理由がとてもとてもよく分かります。
私に自体さえあれば、いますぐコンビニに走って、315円のレターセットを買い三行半を叩きつけてやる所ですが、いやはやこれが脳内彼女の辛い所です。
ここで彼の愚痴を書いても、彼の欝発言と同じになってしまうので彼と会話でもしてみます。
「ねぇ、コバチさん。そんなにウジウジしなくてもいいじゃない。そりゃ、あなたには音楽的才能が皆無と言っていいほど無いけど。それで死ぬ訳じゃないし」
「お前はいつも無駄にポジティブだよな」
私の心も知らずに暢気なもんです。
「だってほら、暗い気持ちで生活したって楽しくないでしょ。そうだ、気分転換にこの前買ったポケモンでもやりましょう」
「う、うるせーよ!! そんなガキのおもちゃで気分転換なんかできるかよ。通信交換で『レベル1のポケモンを送るから、レベル100のポケモンを下さい』という文字が溢れ返っていて、辟易したよ。こいつら資本主義がなんたるか全く分かってねーよ」
「そ、そうね」
「はぁー、世界は馬鹿ばっかりで、そんな馬鹿な人ほど可愛い彼女がいたり高給取りだったりするんだぜ。本当に世界は不公平だよな」
それは偏見とあなたの欺瞞と贔屓が色濃く出た意見だわ。
「もう、お前と話してもどうしようもないからエロ本買ってくる」
「仮にも女子の私に対してその購入物を宣言する辺りどうなのかしら? それとも何? 私とあなたは、付き合い始めた当初は互いに自分のダメな所を隠して生活するけど、付き合い期間が長引くに連れて済し崩し的に堕落していく男女の服装と同じ関係同じだともいうの」
「うんにゃ、深い意味は無い」
「そう」
はぁ、いつもこんな感じです。
そりゃ、新しい携帯電話に女性の登録が一つもなかったり、女性ともう何年も私語を交わしていないわけです。アイマスに嵌って、如月千早にぞっこんながらも、いざゲームをやって千早さんとの仲が上手くいかなかったらどうしようという、猪木さんが聞いたら「戦う前から負ける事を考える奴がいるかよ」と怒られそうな態度です。



「あら、もう帰ってきたの?」
「エロ本に貼ってあるシールってどうして上手く剥がせないのかな……、みろよ、表紙が破けただろぅ」
死ねばいいのに。