手を繋がなくても、分かり合える仲でありたい

世の中は一大「絆ブーム」だって知ってた?
TVを付ければ、家族の絆や兄弟愛を描いたドラマがやっていて、ラジオを付ければ恋人との繋がりを唄う歌が流れている。テレビキャスターは、事件が起きればみな口を揃えて「人間関係が希薄になった現代を象徴する事件ですね」


そこでみなさん考えてみよう。
『絆って大事だけど。それってそこまで気にするレベルなのかな?』



今週発売のスペリオールにて掲載されている「キーチVS」に於いて、主人公のキーチが、涙頂戴の物語を聞かせただけで、弱者に靡く大勢の人間を見て。政府や宗教、社会を信じるなといい、『信じろ。と言うものを全部信じるな』とまで言い放った。


新井英樹(漫画家)漫画は、いつも超個人主義が語られている。
個人主義の成れの果てが、この世だとしても、そんなに社会が口を揃えて叫ぶほどみんな個人の事しか考えていないのかな?
家族愛はドラマや歌で教わるものでも感じるものでもないでしょ。つーか、そんなのマヤカシやん。
1億数千万人が住むこの島国で、その1%にも満たないある種の人間が全ての絆をぶった切って暴走したからって世界の絆は失われた訳じゃないでしょ。そもそも、親との絆や友達や恋人との絆って、そんなに時代が変わっただけで壊れるものなの? 壊れる時は壊れるけど、また作ればいいし、一度も壊れない絆なんて存在しない所を見れば、絆なんて壊れる為に存在しているようなものじゃん。


何が言いたいかといえば、お偉い学者や政治家やマスコミが思っているほど、現代を生きる人間は弱くないって事さ。