空の境界/第一章「俯瞰風景」

自分が初めてタイプムーン作品に触れたのは、友達に貰った大量のGBのROMの中に紛れ込んでいたGB版月姫だったなぁー。
直死の魔眼」というフレーズ辺りで、飛んだ中二病ゲーだと思って止めた。
ようは月姫空の境界の事なんて一ミリも分かっていない。


そんな俺が見た劇場版空の境界の感想はファンの為の映画でした。
「ソラの境界? えぇ、カラの境界? ともかくよく判らないけど、スーパーアドバイザーで太田克史編集長も参加しているし、いろいろと話題だから見てみよう」と安易な考えで観たせいか、何一つ分からなかった。
「良く喋る白衣の美女だなぁー」とか「ヒロインは義手なんだ」、「作画すげぇー」とか、本当に内容に対してどうでもいい感想しかなかった。
もちろん、俺お得意の深読みと肥大した解釈を使えば、これが現代の若者が内包している虚無感。と、自由を求める行為と代償。浮遊と飛行の違い。etc.
そこら辺の内容は理解出来るが。
美術館に行ったら、有名な画家が来館していて、ファンに自分の作品を紹介しているような気持ちになった。周囲では絶賛の拍手と軽やかな口ぶりの画家。画家の説明も絵の素晴らしさも理解できない俺。そこから露になる周囲との圧倒的な差と、孤独感。
理解できない奴は馬鹿だから?
誰にでも理解できる程度の安い作品ではないから仕方ない?
低脳かんなぎでも見てろ?


ともかく伝えたい想いが俺に伝わらなかった。観終わった後に、「俺ならコウ思う」とか「そうか、世界にはこうゆう人がいて……」とか「もし、俺が式さんの立場なら」とか観終った後に反芻して味わうモノが無かったという感じ。
設定が突飛過ぎてリアルを感じなかったというより、作品の中で勝手に完結していて、観ている人に投げかけるものが無かったように感じる。それは全章を見終えた後に感じられるものならいいんだけど。出だしの第一章で氷山の一角程度の人物紹介をして、式さんがナイフ振り回して幽霊倒したぜ!! って、なんだかなぁー。



とにかく、全体を通して説明不足で。それを補う為の長台詞はちょっと……。
後は空の境界の歴史をしれば、これが「ファンの為の作品」だと分かりましたが、ファンじゃない一見さんにもっと気遣って欲しいと思いました。
それでも、攻殻とか好きな人は好きだと思うよ。

劇場版「空の境界」 俯瞰風景 【通常版】 [DVD]

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つーか、敵を増やさずに、適当に「式タン最高」とでも言っとけよ。俺!!