GOEMON

グラン・トリノ」や「鴨川ホルモー」や「バーン・アフター・リーディング」や「劇場版天元突破グレンラガン 螺巌編」等、見たい作品が犇いている今週。
あえて、紀里谷和明監督の「GOEMON」を観たよ。


あらすじ:織田信長が本能寺で暗殺されて、明智光秀豊臣秀吉に敗れた大阪で、大泥棒石川五右衛門はとある箱を盗み出す。


感想:
紀里谷和明の前作がアレな出来だったので、きっとどうしようもない中二病と支離滅裂のシナリオ、そして目がチカチカする演出の数々だろうと大して期待をせずに観たが思っていたよりも出来が良かった。
前作は何がいけないって、「キャシャーン」というマイナーな原作をテーマにして、世界観を難解にし過ぎた事が問題であって、あの演出事態は「明るい所でテレビから離れて観てね」な注意さえすれば、映画としては斬新であった。
そして今回は、誰もが名前だけよく知っているがどのような人物かいまいち認識をしていない石川五右衛門が主役の時代劇?なので、世界観は理解できた。(最初にナレーション入るし)人間像も誰もがイメージしてる大泥棒という豪快なキャラも良い。
ただ時代考察が滅茶苦茶で、織田信長が甲冑に身を包んでいたり、ガトリング銃が登場したり、霧隠才蔵服部半蔵石川五右衛門と猿飛佐助が一度に登場して、石川五右衛門が馬を足場に大ジャンプしたりするけど。そこら辺はまぁ、「戦国BASARA」という先駆者がいるので違和感が逆になかった。まぁ、安土桃山時代を観た事は誰もいない訳だから、間違っているとは言えないし。ただ安土桃山時代を研究している学者は怒るだろうけど。


ストーリーも、分かりやすい復讐劇。


ともかく映像美が凄いのでコレはコレで日本映画の新しい形なのかなぁ。と思いました。なんていうの、「ハリウッドにはCGじゃ敵わないし、SFはアニメに持っていかれるし、俺たち邦画は地味に人情劇をやってようぜ」という風潮からの脱却としてはアリかなぁ。