鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星

あらすじ:アメストリスの首都であるセントラルシティにある中央刑務所、そこにはメルビンボイジャーという名の囚人がいた。刑期終了を間近に控えていながら、メルビンは新聞のとある記事を読んだ事をきっかけに脱獄した。彼の使いこなす未知の錬金術を目撃したエルリック兄弟は、その錬金術の詳細を知るために彼を追いかけ、西の大国・クレタとの国境の街・テーブルシティへと辿りついた。


感想:
ハガレンに関してはあまり自信が持てるほどの原作もアニメも観たり読んだりしていなかったのでちょっと不安だったが、鑑賞前日に劇場版第一弾を観たら面白かったので勇気を持って観たが、劇場のもぎりさんにハガレンのあらすじやら映画の前日談を描いた漫画が載った冊子を戴きなんとなく内容やキャラの状態を理解した上で視聴できたのは良かった。
映画を観て、なんで原作やアニメを適当に済ませているのか思い出した。錬金術と賢者の石がチート過ぎて楽しめなかったからだ。あれの万能さは物語の緊張感を損なうよね。困っても「錬金術なら、錬金術さんならなんとかしてくれる」ってみんな視聴者もキャラクターも思っていて、その思い上がりが人体練成なんだとストーリーは物語っている訳ですが。
それでも、強い奴が現われて危機一髪な状況も、「賢者の石なら、賢者の石を使えば逆転できる」っていう流れがあって。劇中、それをさらっとやってのけるし。それを制止するのも人体練成を止めるのも主人公達で。
この映画では本当にエルリック兄弟は経験に基づいた良識をばら撒く脇役で、主役といえば、親の研究結果を使って電撃飛ばしたり、凍りつかせたり、エルリック兄弟の制止を全力で振り切って賢者の石使ってブーストする兄妹なので、エルリック兄弟ファンの方だと物足りなさを感じるかもしれませんね。
ストーリーは、民族問題を取り上げた面白い話なんですが、結局、戦火のどさくさに紛れて建国宣言しても二つの大国に挟まれた状況じゃ、すぐにまた侵略されてしまうんじゃないのか。そんな危険な状態なのに主人公達は国に帰るって意外と主人公って適当だな。と思いました。せめて根回しくらいしてあげればいいのに。