Another

あらすじ:
そのクラスには死者が紛れ込んでいる…。
夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(山賢人)は、転入した3年3組で眼帯をした少女・見崎鳴(橋本愛)に出会う。
その不思議な雰囲気に何となく惹かれていく恒一だが、そのクラスでは鳴はまるで“いないもの”のようにされている。他の人には鳴が見えていないのか?彼女は幽霊なのか?不思議に思った恒一は鳴に近づこうとする。
そして、まさに恒一が鳴に接触したその瞬間、クラスメートの1人が無残な事故で死んでしまう。そのとき、他のクラスメートがつぶやいた。

「ルール破ったからだ…」

その後、次々と3年3組に不可解な死が連鎖していく。
(公式より)




感想(ネタバレ無し):
小説の存在も知っていて、TVアニメ化された事も知っていたが。全く興味がわかなかったのでよく分からぬまま、Jホラーが観れればいいや。レベルの浅い期待で映画館に足を運ぶ。


劇場版の感想なので、「原作じゃこうなんだよー」とか「アニメ版だと…」的な突っ込みはご容赦願いたいが。
まず30人くらいいるクラスを一つの像ととして捉えていて、そこにいる約30人の中学生を表しきれていない。上映時間2時間という時間的な制限は分かるが、あのような30人いるはずなのに10人を満たない人物しか登場させず、他はモブとして扱うのは勿体無かった。金八なみにクラス全員にスポットライトを当てろとは言わないが。もう少しやりようがあったのではないか。
降りかかる死の表現が温い。不幸が重なった事故による死に方が客に『突如降りかかる死の衝撃と生の儚さ』を表したいのか『ありえない面白い死に方で笑わせたい』のか分からない。後者であるなら人の死を笑いにする事で一発当てた「ファイナルデットコースターシリーズ」と比べるとアマチュア同然であるし。前者なら、死をもっと尊ぶべきだと思う。
シナリオに無理がありすぎる。死のシステムの説明が面倒臭い&意味が分からない。死のシステム打開って、あいつが特殊能力を発動すればっもっと簡単に解決したし。そのシステムの解読に必要だった先輩の登場が唐突すぎた。なんでアイツ急に旧校舎に現われたんだよ…。主人公が心臓病を患っているのだが、その心臓病が物語となにも繋がらず。主人公を不利な状況に追い込むためのアイテムでしかない。例えるならば、クラスメイトに主人公が糾弾された時、主人公は疑いを晴らそうと釈明するがその途中で急に心臓病の弊害によって倒れる。そんなシーンが何度もある。その心臓病もオチへの布石ならば納得がいったが、どうも回収されない。ヒロインは幼少期の病気が原因で左目が義眼なのだが、左目にクローズアップするたびに左目に血管があって、そうゆう作りこみの薄さに辟易する。カラコンカラコン!または血管も模様ですか…。
ヒロインの橋本愛が、劇場版BLOOD-Cの時に声優をやっていて。映画を観た時にあまりの糞声優に名前をちゃんと覚えていたので。今回の演技もそんなレベルだった。
無表情キャラってただ棒読みすればいい訳じゃないと思うんだ。



総括。
凡作な日本のホラー。
こんな糞映画よりも『告白』の方が数倍怖くて後味が悪い。


あえて、一つ良い点を言えば。
盆休み映画らしく「死者の弔いはちゃんとしよう」と締めくくる点かな。
後、二時間くらい暗い部屋で椅子に座って眠れる。