うぐ、うぅ・・・(涙)
コバチさん。そんなに泣かないで。」
脳内彼女は優しい顔で僕にボックスティッスを差し出す。
「あ、ありがとう・・。」
僕は二、三枚ティッシュを掴み取ると鼻をかんだ。
「カッコイイ作家なんてみんなゴーストライターが書いているのよ。ホントはみんな嘘つきなの。」
「えっ・・・。」
「みんなウソなのよ。この世も、この世界も、あの満月も、あなたがこんな風に腐っていることを自覚しているくせに就活しないのも、飼い猫があなたをバカにしたような態度をとるのも。テレビで叫ぶあの芸人も、花火大会の夜に聞こえるカップルの笑い声も。なにもかもこれはよく出来た夢なの。覚めにくくて鮮明に作られた夢なのよ。」
「ほんと?」
僕は赤く腫らした目で脳内彼女を見つめる。
「ほんと。この長い夢をすぐに終わらせる方法はあるわ。でも、それをやってしまったら、もう夢を見ることは出来ない。あなたは此処よりもっと辛い世界で生きていかなけばいけないのよ。もう、この世界には戻ってこれないのよ。」
脳内彼女は諦めたような顔で僕を諭した。
「じゃ、じゃあ、僕はどうしたら・・・。」
脳内彼女はひと呼吸おくと僕の目を見つめ叫んだ。
「戦え!」
僕も脳内彼女を見つめ返し叫ぶ。
「何を?」
彼女は答える。
「人生を!!」



と、まぁ、筋肉少女帯の「戦え!何を?人生を!!」をテーマに滝本竜彦著「超人計画」をパクりSSを即興で作りました。
そんな土曜の夜。