大槻ケンヂ著『ステーシー―少女ゾンビ再殺談』

あらすじ、ある日から15〜17才の少女が突然原因不明の死をとげ、人間を襲う屍体(ステーシー)となり蘇る“ステーシー化現象”が蔓延している近未来の話

本では序章→ステーシーの美術→終章と書かれています。
序章でステーシー化された世界を、ステーシーの美術でイカれた人々を、終章ですべての終わりを。
感想。奇病によって死にステーシーと呼ばれるゾンビになる。ゾンビは人を襲うから殺さなくてはいけなくちゃいけない。じゃあ、誰が殺すかって言えば、行政か個人。行政はステーシーを殺すことに慣れて快楽殺人者の集まりだから、死を前にした少女は家族や恋人に再殺を頼み……。
あぁ、もしも知り合いの女性や妹、元カノに再殺を求められたらどうしよう?ちゃんとチェーソー使って165等分にバラせるかな?
読んでから、ずっと考えてしまいました。
ただのホラーやSFとは一概をかいした作品でした。読んだ後、そっと彼らのいる世界の幸せを望み祈ってしまう自分がいました。
滝本竜彦の作品(特にネガティブハッピー…)と同じ、『不条理』が溢れた作品でした。