ボーイ・オン・ザ・エスケープ

急ですが、あなたは二葉亭四迷の平凡という作品を読んだことがありますか?




僕はありません。全く。てゆーか最近まで落語家さんだと思っていましたし、故人だとは思っていませんでした。
なんでそんな事を聞くのかと言えば、昨日の大仕事の後、図書館で借りた「青春の亡霊」を読んでいたら「平凡」が紹介されていたのでちょっと気になりました。
それが聞いてくださいよ。この平凡の主人公のカッコ悪さ。
内容的には典型的なボーイミ―ツガールな話なのですが、主人公の童貞っぷりといいますか、女性に対しての異常な恐怖心。爆笑です。
そんな事が分かるワンシーンはここです。

ある日、居候をしている家で心惹かれるお嬢さんと(雪江)二人きりになった主人公。父母は外出して帰ってこない。主人公はドキドキしながらその事を雪江に悟られまいと毅然を装っていると、雪江から「私の部屋においでよ。美味しいお芋があるのよ」のお誘いが、
恐る恐る雪江の部屋に行き、芋を食っていると雪江から「あなた背が伸びたわねぇ」の質問。
二人は向き合い身長を比べる事になりました。
主人公は近距離にいる雪江に心臓が口から飛び出そうになりながら、雪江にを見下ろす。
口に当たる雪江の前髪にもう我慢できなくなって……。











逃亡!!!




自室に戻っては「あそこで抱き締めていたら俺は俺でなくなってしまう所だった。そんな淫らな行為をしてはいけない。俺は正しい!」のルサンチマンを延々と呟き、その後は父母が帰ってくるまで引き篭もる。

いやぁ、ラブコメの典型が100年前から存在するとは驚きです。
そして、100年前の花沢健吾発見です。
バカな男って人類始まってから進化無しですね。
春の雪を見たときも、主人公の青臭さに笑いがこみ上げてきましたが、あの時代から変らずにお馬鹿な男がいるとは心強い日本文学です。


それ以外にも、夏目漱石の「三四郎

上京途中に知り合った人妻とある事情により床を一緒にするシーンがあるのですが、その時の三四郎も人妻に夜這いをかける勇気が出なくて、ウジウジしていたら。翌朝、「あなたはどんだ根性なしですね」と人妻にバカにされる始末。


本当に日本文学って面白いですね。