師匠

『談志人生全集〈第3巻〉大名人のつもり』
立川談志さんは、世界一の落語家だと思います。本人がそう自負するのですから。
そんな立川談志師匠のエッセイを纏めたこのこの本。
いろいろと面白い文が多くタメにはなりますが、落語を知らなかったり、時勢に疎い人は読んでもチンプンカンプンだと思うので読み人を選ぶ作品だと思います。

そんなこの本の一節に、努力について書かれている話があります。
芸人が芸を磨く、つまりは芸の向上を願い練習することは「努力」などという言葉では無いのだというのです。


芸人はその芸が好きになり、惚れ、その芸の世界に入る。
入れば、その世界に入った己の良さを、他人に分かってもらおうと行動を起こす。
これを世間では「努力」と言う。
が、別に「努力」という程のものではない。それをしないと不快だからするのであって、身体が悪くなった者が病院にゆき、医者に診てもらう行為と変わらない。
(中略)
何が言いたいのか、というと、惚れて入った芸能生活に苦労話は嘘である。
落語家になれない不快より、なっているのだから、基本的に不快は無い。


つまりは、好きな事をやって暮らしているのだから、それだけでハッピーだろ。
ということらしい。
どこぞの偉い哲学者(名前忘れた)も、真の天才とは、才能に優れたものではなく、努力を努力と思わずに行える人である。なんて言っていた。

談志人生全集〈第3巻〉大名人のつもり

談志人生全集〈第3巻〉大名人のつもり

そんな天才に成りたいと願い今日のブログはここまで……。