情熱大陸 唐十郎

俺は、生まれてこの方23年、今だかって身銭払って演劇を見たことが無い。ミュージカルも同じだ。
と、豪言できる。
嫌いなわけじゃない。テレビで演劇の放送(BSの日曜深夜)を見たりすると、いつも、「いつか見てみたいと」と心に思う。好きな小説が演劇化されていて、それが上演終了だったりすると、悔恨の情で胸が苦しくなる。
では何故、いままで一度も行った事がないかというと、それはまず最初に立地条件がある。群馬というのは関東圏に存在する割に、東京までの道のりは激しい。気軽に行くにはお金と時間が掛かりすぎる。そしてそれを知らない東京人はいつもイベントやライブツアーを
行なう場合、群馬を省く、群馬に行くくらいなら東京で一発やればいいじゃん。群馬県民は東京に繰ればいい訳だし。なんて魂胆が見えるくらいに群馬に営業はない。
また、演劇というものを頻繁に軍まで行なう姿を見ない。「演劇やりますーー」と言う広告をあまり見ない気がする。(それは俺がヒッキーで知る世間が狭いせいもあるけど)
その他諸々の理由で、俺は一度も演劇を見たことが無い。
しかし、凄く見たい!! しかしながら金は無い。でも、ああゆう夢を追う人たちの努力の結晶や新しい表現の模索を凄く見たい。
てことで、誰か俺を演劇に連れてって。


本題。
唐十郎さんの息子が有名人だったような気がして、情熱大陸を見ながら悩んでいたら、中盤に現れた酒気帯び大鶴義丹の姿にはっとした。
唐十郎さんは最近気になっていた。というより、寺山修司さんのエッセイを先月読んで、美輪明宏さんが当時のアングラ劇(確か、青森のせむし男の話だったと思う)を話していて、昼間に横尾忠則さんのインタビュー聴いて、これは何かの縁かもしれんと運命感じたから。
10年前のバンドブームの時、ライブ中にブタの腸を撒き散らしたり、観客のおでこにナイフで十字傷を刻んだりと凄惨な情景を大槻ケンヂさんと山田玲司さんが話していて、町田町蔵さんもそんな感じで暴れまわっていて、そうゆう表現の模索ってえぇなぁ。とうっとりしていた。
昔から、何かを新しく作り出すのは多くの失敗が付き物で、それはエジソンの電球開発話を紐解けば分かりやすく。でも世間はそんなよう分からん物はよう分からんから、考えもなしに拒絶してしまう。それにも耐えていろんな物で研磨されて残った綺麗な物を、世間はまるで努力無しに生まれたように、いいよな才能ある奴は……。なんて愚痴って妬んで嫉妬する。こちとら、死ぬほど努力しんたんやで!!と反論を返しても、はいはい。成功者の努力話だろ。なんて切り捨てられる。それは表現者の因果で、これ無しに生まれた者の多くは直ぐに消える。
唐十郎さんはそんな人だった。テレビで大勢に見られる事を、お金を儲ける事いけない事とは言わなかった。ただ自分は赤テントが合っている。二十代前半に初めて最初は観客が20人しかいなかった所からのし上がった男は強かった。
カッコいいなぁ。と思う。いやマジで。