心のボーナス

忌野清志郎の歌で「こころのボーナス」という歌がある。
この歌の歌詞にはキヨシ、シゲル、マサルの三人が出てくる。
キヨシは崖っぷちに立ちながら、自分は人生という流れに弄ばれていた。何もかも自分で考えないで流されていたから流れ着いた此処が自分の望んだ場所になるわけじゃない事に深く失望していた。そしてそんな自分に挫折感を味わう。
シゲルは自暴自棄にになりナイフを振り回した。結局は警察に捕まり痛い目にあった。誰も彼を見なかった。みんな自分の事で忙しかったから。
マサルはアフロヘヤ―を掻き毟りながら自分の道がパズルのようにこんがらがってしまったと困っていた。傍から見た人から何事も最後までやり終えた事がないくせになに言っているんだと笑われた。


最後に清志郎はこう歌っている、

崖っぷちに立ってるのは キヨシだけじゃないだろう
近くを通ったなら 声をかけておくれよ
君に合った立ち方を 見つけられるかも知れない


人生に悩むのが青春だとどこかの親父が言った。でも、なら大人になれば何も悩まずに生きていけるのかと言えばそうじゃなくて、誰もが老人になったってなにかしらで悩んでいるんだ。なら人生って一生青春かい?
僕だって悩んで苦しんでいる。
キヨシは自らが招いた状況に苦しみながら絶望して立ちすくんでいる。
シゲルは暴れて無理やり状況を打破しようとして失敗した。
マサルはそんな失敗した自分に困ったフリをして笑っている。
僕もそんな三人だ。絶望して立ちすくんで、困ったふりして道化を演じて無理やりこじ開けようとして失敗してすぐ諦めている。


僕に合った立ち方はいつになったらどうしたら見つかるのだろう?

冬の十字架

冬の十字架