デイドリームビリーバー

今日は書きたいことが二つあるんだけど、その内容が著しく俺に心労を加えるのでどっちか、一つを書きたいと思うわけですよ。
そして、まぁその二つの事とは、昨日?昨晩?今朝?見た夢の事なのね。
ちなみに二つを簡略的に書けば、『最終回を観ていないのに、またそんなに放送を観ていないのに、勝手に俺が作り上げたエウレカセブンの最終回』と『薄々は気付いたいたが、あえて無視し続けた恋愛観』の二つ。
じゃあ自虐的に後者を……。



夢の中で気付くと俺の前には一人の女性立っていて、凄く俺に対して不機嫌な顔をしていた。
「あんた、いい加減ちゃんとした恋愛しぃな!!」
と、文句を垂れる女性。外見が何処かで見た事はあるが思い出せず、ただその女性が発した言葉は俺がつい最近まで読んでいた『暗闇の中で子供』に出てくる猿江楓という女性が主人公の三郎に対して口すっぱく言う定番の言葉だという事は分かった。つまりはこの目の前に在する見覚えがあるのか無いのか分からん女性は猿江楓となる。そして、その「ちゃんとした恋愛しぃな!」の言葉を俺に言うことから俺はこの夢の中では主人公の三郎となる。じゃあ相手に合わせた言葉を言わなくては、
「じゃからしい。アホ。お前こそ真面目な男と恋愛しろや!」
と、アウトローの三郎のような口調で言い返す。確か文中ではこんな中学生のような口喧嘩があの二人の間には行なわれていたと記憶している。でも曖昧。
猿江楓は一呼吸置いた後言う「あんたがうちに言う資格あるん?」「あるさ、お前の付き合う男みんな下らん男ばっかりだったやん」「ちゃうわ、自分のことを棚に挙げて言うなちゅう事や」「どうゆう意味なん?」「あんた本当に人好きになった事ないやろ」
『本当に人好きになった事ないやろ?』の言葉が夢の中なのに脳内でリフレインして、もう三郎を演じる事が出来ないほどに狼狽してしまった俺は嘘臭いたどたどしい関西弁で怒鳴る。
「した事ぐらいあるちゅーねん」
怒鳴った後に猿江楓の面を睨むと猿江楓の顔に霞というか靄が掛かり、数秒で靄は晴れるんだけど、その後靄の中から現れた顔は元カノの面で、妙にニヤニヤしていて、気持ち悪!って思い、たじろぐ俺。
「嘘ばっか。あんたはいつもそうそんな風に思い込もうとしているだけ」「なに急に現れて訳判らん事言っとるねん」もう俺の口調が関西弁で定着してる。「私の事だってホントは好きじゃなかったでしょ?」「そりゃ、今は違うけど昔は好きだったで」「今も昔もない。あなたは終始一貫して私の事なんて好きじゃなかった。あなたは私を好きになろうといつも必死だったもんね。だってあなたは私の事何一つも信じてなかったじゃない」「…………」俺絶句痛い所を串刺しにされた。
俺がだんまりで猿江楓であった元カノのつま先辺りばっか見ていたら、元カノはここが勝機とばかりに言葉を並べる。
「あなたなんてそんなもんよ。女性が怖いとか言って結局は人間が怖いのよ。他人の目や他人に自分を曝け出す勇気が無いのよ。誰からも自分は認めてもらえないってゆう誇大妄想が脳髄に染み付いてその影にいつも怯えるバカなのよ。そんな人間不信のあなたがいっちょまえに恋愛語ってるなんて片腹痛いわ」
何も言えん。もうここから逃げ出したい気持ちで一杯になり、足を動かそうにも足は動かず、てゆーか、足の甲が見えない。つまりは幽霊のように足無しで地上数十センチの所を空中浮遊しているようだ。
「アホ。お前だって俺と同じや。バカで世間知らずで恋愛ちゅうもんをお前もよく判らんやんけ」
小声で反論。元カノは鼻で笑う。







……夢終了で御座い。
起きて見た雨空が小生の心中を表しているようで死にたくなった。
でも死ななかった。
あぁ、フロイトを墓から呼んで来て俺専属の心理カウンセラーにして。