夜は短し歩けよ乙女

森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』を読了
内容を簡潔に書き表せば「大学の後輩に萌えて萌えて大好きになってしまった先輩が日夜、その乙女をストーキングする話」と書けば、ちょっとしたサスペンスの匂いがしそうだが、それが森見お得意のの刹那さ&キュートさを使った文体により、バカバカしく仕上がり。誠にこの人は天才だ。天才すぎる。尊公がもし自販機でジュースを購入しようとして硬貨を幾枚入れた時、たまたま十円足りなかった。そんな現場にもし私が出くわしたら、何も言わずにニコニコ笑顔で500円玉を追加してあげるくらい感謝したい。おもろい本をありがとう。しかし、そんな状況に出くわす事はかなりの低確率で、また出くわしたとしてその困っている者が森見氏かどうか判別できないので、私はまずその困っている当事者に「おともだちパンチ」を食らわし、その反応により判断したいと思う。しかし、もし仮にまったく赤の他人だった場合を考え、何も知らない困った人に対していくら愛嬌のある殴打方法とはいえ殴るという暴力行為に殴られた者は怒りや悲しみを抱くかもしれないので、その方法は困った人に対して「もしかして森見さんですか?」とまるで繁華街でスカウトに明け暮れる風俗経営者のように軽妙にしかし明るく不審者と思われないように話しかけようと思う。支離滅裂、本末転倒。これでは、殴る意味がなくなってしまった。返答によって本人確認がとれてしまったではないか。では、どうすれば森見氏を殴ることが……。なむなむ!
しかし、何故私は森身氏を殴りたいのだ?

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女