嘘あらすじ ①

もうこんな季節になったんですね。
年に二度のボイルドエッグズ新人賞開催!!


それを祝って『あらすじ』を書きたいと思います!!
ビオ(脳内彼女)「kobachiさん、またそんな奇行を……」
kobachi「うるせい」
ビオ「はいはい、どうせ私が何言ってもやるんでしょ。せめてこの企画の内容だけでも私とこれを見ている読者の方に教示してから始めてよね」
kobachi「おう、この『あらすじ』は今期ボイルドエッグス新人賞にノミネートされた49作品(詳しくはボイルドエッグス新人賞のHPをクイック)から、タイトルと名前のみをネタにわたくしkobachiが独断と偏見と妄想を散りばめて勝手にその作品のあらすじを書く企画です」
ビオ「それって、作者の方に対して物凄く失礼じゃない?」
kobachi「なら、先に誤ります。ごめんなさい。真にもってごめんなさい」
ビオ「ひ、開き直り……」
kobachi「でもさ、ここでその作品の勝手な嘘あらすじ書いたからって誰も損しなくない。だって、審査委員と作者本人以外、作品の内容は知らないわけだし。ちょっとしたジョークだよ。作者の方々が寛大な心の持ち主だと信じてこその暴挙だよ」
ビオ「暴挙って、自分で言う時点で悪意を感じるわ」
kobachi「あはははは、こりゃビオちゃんに一本取られちゃったなぁ。あははは……、あはは、馬鹿なので怒られるまでは続けたいと思います。では開始」
ビオ「絶対に怒られるわ」



エントリーナンバー1
作品名 雪の日のショパン
作家名 北条かおる
あらすじ

都心の一流企業で働く私は、リフレッシュ休暇と呼ばれる会社の古き慣習に付き合わされる羽目になり、仕方なく一週間の休暇をとらなくてはいけなくなった。一週間というのは、何かするには短く、かと言って何もしないには長すぎる期間だ。私はふと思い立ち田舎に帰ることにした。豪雪地帯の実家は雪に埋もれていた。屋根に上り必死に雪掻きする男の姿に見覚えが……。確かあいつは「ショパン」だ。あれ、なんであいつのあだ名「ショパン」になったんだっけ??

エントリーナンバー2
作品名 みみず男爵(作品集)
作家名 高橋賢
あらすじ

毎朝登校の為に立ち寄る本庄駅の片隅にはいつもみみず男爵がいる。もちろん、人間である。仮面ライダーの怪人ではない。みみず男爵がいつから本庄駅を根城にしているかわは分からない。僕が高校に入学して電車を利用し始めた頃にはすに存在し名物男となっていた事からかなりのキャリアの持ち主だと推測されている。何故、ミミズ男爵と呼ばれているかといえば、それはやはりあのドレッドのような髭だろう。口元からにょろにょろっと出た十数本の細いドレッド髭を黒いミミズと見間違えたのだろう。ほら今日もミミズ男爵は僕の元に来てこう言う「なぁ、500円貸してーな」あぁ、そんな事を申したらせっかくの男爵の位が泣くぞ。

エントリーナンバー3
作品名 シンクロニシティ
作家名 石井利幸
あらすじ

僕には双子の兄がいる。名前は新九郎。ちなみに僕の名前も真九郎。親父は僕ら双子に分け隔てなく育てるために最初に名前を平等にした。兄と弟という関係も僕が一方的に言っているだけで、その理由も新九郎の方が僕より少しだけ妹の面倒見がよく、親戚から「さすがお兄ちゃん」と呼ばれる回数が多いいからだ。僕らは平等に公平に育ってきた。しかし、世界は、この町は何事にも優劣上下を付ける。僕ら双子にも容赦無い。僕らは区別される。町にレッテルを貼られる。僕らがいくら同じだと叫んでも……

エントリーナンバー4
作品名 カリフォルニア・ストップ
作家名 山中麻人
あらすじ

亡くなってしまった友人に聞かされた、自由の町はニューヨークでは無いと。彼曰く、真の自由の町はカリフォルニアらしい。今となってはその真意を聞こうにも彼はもう冷たい土の中か、はたまた空高くの楽園、もしくは生まれ変わって誰かの赤子。とにかく答えは分からない。5年間付き合っている彼女から結婚の話が出てきた、部下のアイデアを奪い私腹を肥やす上司に呆れて口癖のように言っていた「辞表」も、もうこの歳では実現させるには無理そうだ。何もかもがもう手遅れに感じる。この体を締め付ける手詰まり感は何だろう。

エントリーナンバー5
作品名 白鳥の歌
作家名 江利川宏行
あらすじ

「僕と恋をしよう」
知らない男から急に告白された。
そりゃー、私はそこそこ可愛いし、過去にだって数々の男を手玉に取ってきたやり手の中のやり手、恋の黒帯。恋愛の有段者だから急な告白に一瞬驚きはしたけど、すぐに冷静になっていってやったよ。「まぁ、いいけどねぇーー」って、そしたら、その男なんていったと思う。「うわぁ、ミサッキー」みさっきー?? 誰のこと?「古川美咲さんですよ」いや、知らないんだけど……。「知らないんですか。まぁ、一般人はそうでしょうね」でね、その後になって知ったの、その古川美咲って女が声優で、私の声がその声優そっくりだって事。

エントリーナンバー6
作品名 能力者の館
作家名 雪見隆
あらすじ

この世界では、みな生まれつき異能を一つ持ち生まれる。ある者は念動力を、ある者は異性を虜にするフェロモンを。ともあれ、みながそんな人生に有意義な能力を有しているのではない。僕の能力は足跡からその人物を特定できる能力。今の所特に役立った事は無い。幼馴染で名探偵の佐々木川六郎は、人の不安を要素を見抜く能力という探偵冥利に尽きる能力で大活躍中だ。夏休みを使い六郎を伴い僕らが向かった海辺の館。そこで繰り返される惨劇。高熱で倒れた六郎の代わりに名探偵に抜擢された僕は……。


エントリーナンバー7
作品名 フーアーユー?
作家名 城市浩
あらすじ

クラス一顔の造形が稀有な守山雪が今日も得意げに言ってくる。「私ってチョーAYUに似てると思わない?」「う、うん」と、答えるけど何処をどう見たら似ているのか分からない。彼女よりも、雨の日にぴょんぴょん飛び跳ねる蛙の方が数倍似ているような気がする。でも、私は真実が言えない。お父さんの鬘も、ママが心酔する怪しげな新興宗教も、お兄ちゃんが仕事行ってくる、と言ってパチンコ屋に行く事も……。あぁ、喋りたい。でも、怖い。真実を告げた先に待つ恐怖が。だから、私はお爺ちゃんの部屋に飾ってある壷に囁く「誰がAYUなんだよ」って。

エントリーナンバー8
作品名 ミース!〜戦恋はるかなり〜
作家名 藤田一樹
あらすじ

愛している。愛しているから戦う。愛しているから傷つける。僕は今日も廃ビルの屋上で彼女を待つ。僕と彼女は物心付いた時から満月の夜戦っている。僕も彼女ももう戦う理由を忘れてしまった。でも、戦わなければいけないという脅迫概念が付き纏い僕は愛する彼女に刃を向ける。彼女は僕を微笑みながらバタフライナイフを曲芸のように片手でくるくる回し出方を伺う。もし、こんな世界でなかったらきっと僕らはもっと普通に恋愛が出来たのに。いや、こんな関係だから僕らは恋に堕ちたのかな? 僕は日本刀を下段の構えにして深呼吸後駆け出す。

エントリーナンバー9
作品名 左恋右恋
作家名 濱美代子
あらすじ

クリスマスには恋が溢れている。右を見てもカップル、左を見てもカップル。まるでこの時期に恋人がいないことが罪のような気さえする。居酒屋にて恋がしたいと独身仲間と嘆いた。嘆きつつももし恋人が出来たらこいつらとのこの会話・同調が出来なくなると思うとちょっと恋がしたいとも思えなくなる。しかし、私は忘れていた。恋とはするものではない。己の判断で決まるものでもない。神がかり的にそれこそ運命と呼ばれるようなタイミングで堕ちるものだ。そう俺は恋に堕ちた。テレビに一瞬映った彼女に。


エントリーナンバー10
作品名 Ray after Lover
作家名 宙目ケン
あらすじ

彼女が死んだ。不治の病だと彼女に聞かされた時は驚きよりもまるで何処かの韓国映画のようだと実感が湧かなかった。実感が湧いたのは仕事が津波のように押し寄せ数ヶ月ぶりに彼女の病室に行った時の激変だった。痩せたい痩せたいと言っていた彼女はまるで柳の枝のようにか細い体になり俺との会話にも昔のような覇気はまるで無かった。乾いた笑顔に仕事を理由に彼女を避けていた自分が憎くてしょうがなかった。
彼女が死んで五年。僕も同じ病気になった。毎日のように後輩の女性がお見舞いに来る。悲しそうだ。僕もあの時の彼女のような渇いた笑顔をしているのだろうか。

えぇーと、
今日はここまで。
さすがに10本もあらすじを書くと疲れる。
もし、これをご覧になった作者本人様。
この糞野郎。俺が心血注いで作った小説をこんな駄文にしやがって!!!
と、思いの方、お怒りの方、一報ください。対応させていただきます。
ビオ「なら、しなくちゃいいのに……」