そんなの関係ねぇ

『「面白い」を目指して、誰かの人生を狂わせちゃだめだよ』
と、僕のトークの師匠、伊集院光が言っていたような、言っていなかったような言葉です。
由来は、いくら結果的に見ている人が面白くて爆笑する事であっても、やられた人の人生を狂わせるような大事はするな。という意味です。
はい。
昨日、ぶらーっと、群馬に帰ってきて地元友人と遊んだわけなんですけど、先月、僕が会社をバッくれて事をきっかけにある友人が会社を辞めたんですよ。僕と違って円満に。
彼は、友達のつてで次に勤める会社が決まっていたので辞めたわけなんですけど、その彼が昨日、曇った笑顔で来てこう言ったんです。



次の会社潰れた



DIOが現れたんじゃないかって言うくらい時が止まって、その後意味もなくその場の全員が爆笑。
そして、僕が「おいおい、冗談キツイぜぇ」と肩を叩いた所、彼は僕と目線を合わさず、冗談だと思う? と返してきたわけですな。
こりゃマジだと。僕は恐る恐る「俺が言うのもなんだけど大丈夫?」と聞いたら、彼は、なんだか人生よく分かんなくなっちゃった。ってつぶやく訳ですよ。こりゃ死ぬ気だ。そう直感した僕は彼を必死に盛り上げようとしたんですけど、人の必死さって、逆に笑えないじゃないですか。僕は無様な道化でしたよ。
僕も落ち込み(ギャグが滑ったことによって)。部屋中に暗い重い空気が流れ、もうすでに誰かが死んだような通夜ムードになった時。
部屋の主、唯一の社会人がそっとパソコンを立ち上げ今年の24時間テレビの放送事故「小島よしおの熱湯風呂」を再生しました。
部屋に木霊する、そんなの関係ねぇ。は僕にも彼にも深く突き刺さり笑いは起きませんでしたが。
彼の人生が変わった瞬間を見た時、僕らは大きな声で笑い転げ、
「あはは、これはダチョウに失礼だろ」
「神業殺し」
「やっちゃったぁ」
等と、笑っていましたが。
内心、仲間を見つけたような気持ちになり少し安心しました。
彼には、僕がもし先月あのような行為を起こさなければ、このような結果にならずにすんだのに。と後悔の念で一杯です。
僕自身はどうでもいいんですけどね。

はぁーあ、そんなの関係ねぇ。