デート・ウィズ・ドリュー

電波少年が終ってしまったのは、初期のアポ無し企画から、感動モノへと番組目的が変化した為と思われる。
現に、当番組名物プロデューサー、Tプロデューサーこと土屋敏男も番組後半「こりゃ、お笑い番組じゃなくて感動番組になってる」と危惧したらしい。
危惧したとおり、電波少年は視聴率の上昇と共に内容は安全なモノに低下して終った。


さっき、観た映画はそんな電波少年が終って悲しむ者には大絶賛する作品だ。かといって、デミー・ムーア作品のように、「てめー、最終的にはアメリカ嫌いって言いたいだけじゃねーかよ。このアメリカ人が!!」と行き場のない叫びを飛ばすことも無い。まだ観ていないが「ダウインの悪夢」のように鬱になることも、フィッシュバーガーを食べられなくなることも無いだろう。
ようは、ドキュメント映画なのだ。
内容は、ドリュー・バリモアが小さい頃から大好きな、コネ無し金無しの男(28歳)が、クイズ番組の賞金1100ドルを片手に、ドリュー・バリモアとデートをしようと東奔西走する姿を追ったドキュメント。
最終的には、電車男に成り下がってしまった彼だが、それまでの過程、友達のコネを使うが無理。急に銀行からの催促が来て金が無くなる。「この企画の期限はハンディーカムのクリーンオフが効く一ヵ月後だ」という、カメラ買え! と突っ込みを入れたくなる企画期限。無駄にドリューと関係のある人物に出くわすが、誰もドリューと彼を会せないこと。彼の、道行く人に「俺ってドリューと付き合えると思う?」という、質問の意味も意義も分からない行動や、「俺、ドリューと上手くデート出来ないかもしれないから練習させて」と、無い金を使って、ドリュー役を公募してデートの練習をして、その姿を女性陣にダメ出しされ凹む辺りや、ポジティブシンキングの塊のような彼が、全部裏目に出る現状に嘆き、落ち込む姿を見せ、向かった先が占い。その結果しった彼は、行きと違う上機嫌に歌をうたう姿。面白い主人公と彼と遊ぶ友人(スタッフ)、気さくに彼を手伝う登場人物が面白かったです。
特に、逢いたい一心で偽造パスを知り合いのデザイナーに依頼して作ってもらう所。お前、犯罪だろ。とまた突っ込み。


面白かった。
電車男のような感動はまるで無いところが最高に面白かったよ。
世界にはまだアホがいて、無駄な事に命をかけていると思うと世界って素晴らしいと思います。

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