自虐の詩

鑑賞後、何度も思い出しては「( ;∀;)イイハナシダナー」と言い返した事か。
それほど良い話だった。


あらすじ:過去に母に捨てられ、父は銀行強盗で捕まり天涯孤独の身となった経歴を持つ「ユキエ」。そんなユキエの内縁の夫でありながら仕事もせずにギャンブルに入り浸る「イサオ」。
とある日、「ユキエ」の妊娠が発覚する。が、全うな父になれないと思っているイサオは逃げ出してしまう。


感想(ネタバレ含む):幸の薄い女の一生を描いた作品と主演が中谷美紀ということで、数年前に公開した「嫌われ松子の一生」と比較してしまうが、似ているようで全く違う作品であった。
「松子」は愛を求め、「ユキエ」は幸せを求めていたように思われました。
とにかく幸せを探すユキエの中学時代に上京するユキエに親友の熊本さんが駅に現れて、餞別として自分のお弁当を渡すシーン。それを受け取ったユキエが泣きながら喜び「いらない。だって、熊本産のお弁当美味くないんだもん」の言葉にもう泣いた。
その前の喧嘩シーンでうるうるしていたが、上京シーンはきた。


特に、映画の前半はユキエとイサオのコントのような日常生活が流れるだけなので、「あぁ、こうゆう感じの古い映画ってあるよね」とか「昭和枯れすすきか?!」なんて、ツッコミを入れていると、話が次第にあらぬ方向に移り、その結果に納得したり涙したりしてしまう。構成勝ちの映画です。