CLANNAD/ 第7話 「星形の気持ち」

クラナド鑑賞もはや7話目です。
今回は前回の続きから始まり、主人公でさえ「風子さんは生霊説」を唱えている世界でただ1人、「伊吹先生のコンタクトレンズか、脳の回路がずれてるだけじゃねーの説」を唱えている異端者の私は、伊吹先生の「ほら、中に風子なんていませんよ」**1的な発言に『クラナドは人生』もとい『クラナドはホラー』と再確認しました。


話が進むにつれて、私の新説を良しとしない保守派のスタッフにより、私の説を潰す新事実ばかり登場して私は臍を噛んで「わ、分かったわよ。風子さんは生霊だって認めるわよ。わ、私は、 う、うぐぅぅ、あんな可愛い風子さんが生霊なんて思いたくなかっただけなんだからっ。だ、だから、認めるから誘拐した妹を返して!! か、返してください……」と、降伏宣言をするしかできませんでした。


もとかく、風子さんが一生目覚める事がない。と伊吹先生から告げられた時、何故にあれほどにあのカップルが凹んでいたのかよう分からないのですが。まぁ、目覚める事がない。という発言は悲しいものだし、通常、知り合いの容態が悪化してそうなったら私だって渚さんクラスに悲しみますが。風子さんは生霊として現実に居て、話も出来、接しられるのだから。その分、悲しみというのは和らぐのではないのでしょうか? まぁ、伊吹先生には会えなかったり。風子さん自身の真の意味での成長はあの状態では見込めませんが。あと、渚さんの涙もろさもあるかもしれませんが。


統括。
そろそろ、風子さんルートに飽きてきたので違う話を織り交ぜて欲しいと期待しているのですが、それは当分先の話になるのでしょうか。
と、いっても、もしゲームなら「この娘をまず最初に攻略したいぜ」というキャラクターが存在しないアニメなので、私からすれば風子親衛隊のメンバーが風子というアイドルから、極々平凡なモブキャラに恋をして、押入れの奥深くに『風子最高』と刺繍されたハッピを仕舞い、高校を卒業して、彼女が通うという理由だけで選んだ大学に入学して。破局して、サークルの後輩に慰められて*2、就職活動して、地方のセメント製造会社の営業として入社。三年後に社内恋愛の末結婚。
子宝にも恵まれ、家族の為と仕事に精を出し、その結果会社の業績も上がり、彼自身も出世の道を邁進する。
「守るものがある奴が一番強い」
付き合いだした当時、彼女の家に行った時、彼女の祖父に言われた事が俺の原動力となっていた。
顔の皺が歳を追うごとに深みを帯び、下腹部の肉も締め付けるベルトから溢れださんとばかりに増える。
俺も歳をとるはずだ。気付けば、自分の足元で子犬のようにはしゃぎまわっていた娘も高校を卒業して美容の専門学校に通うと家を出て行く。家が明りが消えたように寂れていく。我武者羅に働いた俺は何処に行ったのだ。
半年後、帰ってきた娘は大事そうにお腹を抱えて泣いていた。


「何処の誰かも分からんのか!!」
自分の怒号に驚き、俺は行き場の無い視線を下げた。
生まれてくる命に罪は無い。そう分かっていてもまだ10代の娘が子供を育てられるのか? 世間様の好奇な視線に娘は、いや、おれ自身は耐えられるのか?
逡巡している俺に娘が言う。
「な、名前もう決めてんの……。私、頑張れるから……お父さんお願いし……」
俺は握り締めた手の平に自分の爪が深く突き刺さる痛みを感じた。



夏のうだる様な暑さの午後。
娘と妻が避暑地に連れて行かない俺に文句を言いながらコンビニにアイスを買いに出かけた。
私は無闇に首を振りつつける扇風機の向きを足で軌道修正しながらテレビに映る高校球児の勇姿を見ていた。
思えば、俺は中学時代は野球部にいた。レギュラーにも早くから選ばれていたし、自分自身野球の才能があったと自負していた。
しかし、なぜ高校では野球部に入らなかったのだろう。高校での野球のレベルの高さに臆してしまったのだろうか。上手く思い出せない。
ブラバンが奏でるピンクレディーの曲を聴きながら寝転がる私の頭上を何かが横切っていく。
「おじいちゃん、おじいちゃん」
頭を上げた私の先には夏祭りが近いのだろうか。半被を着た孫の姿がある。
「どうした?」
「凄いです、この半被凄いです」
テンションの上がっている孫は肩で息をしながら俺に話しかける。
孫はターンをするように背を向ける。そこには、『風子最高』の刺繍が。
「風子、風子です。私の名前が書いてあります。それにお星様も」
孫が着ていた半被は夏祭り用ではなく、俺が昔押入れに仕舞ったあの親衛隊のハッピだった。
「風子。それはお星様じゃなくて、ヒトデなんだよ」
俺は風子の頭を撫でながらそっと言った。
CV:白石稔


クラナドは人生』



って、真面目に感想書けよ!!

*1:スクイズ最終話参照

*2:心も体も