口裂け女2

あらすじ:岐阜県某所、養鶏所を営む沢田家の三姉妹の物語。長女雪江は恋人との結婚式が近づき幸せの絶頂にいた。次女幸子は家を出て自立し念願の美容室で働く毎日。三女真弓は陸上部に所属し、陸上部の先輩に淡い恋心を抱いていた。ある夜、雪江の元恋人の鈴木が家に進入し、真弓の顔に硫酸を掛ける事件が発生する。顔に大きな傷跡を負った真弓と、その為に風評被害を受ける家族。これは口裂け女誕生の物語である。


感想:前作の「口裂け女」も観たけど、前作はサトエリさんが随分と鬼気迫った演技をしていらしゃったことしか覚えておらず、後は予告編詐欺に見事に引っかかった自己を呪ったくらいの感想しか持ち合わせていなかったので、この「口裂け女2」は当初観る気は全く無かったのですが。実際に観てみると、その脚本の上手さから細部にまで張られた伏線の数々に驚かされました。特に出だしのほんわかとしたNHKドラマの如く緩やかな日常から、傷追ったが故の友達の疎遠や姉妹のすれ違う思いからの悲劇。
一番、上手い演出だと思ったことは、三女の手芸の下手さを誰も口にしない点だと思いました。三女は手先が不器用で、座布団を作るだけでも何度も失敗し、手袋を作れば鍋つかみにしか見えないほどの出来栄えなのですが、その事を三女を思い家族は誰も「下手」だと言わない点。誰かに「手芸が下手」だと言わせれば、観ている視聴者にもダイレクトに伝わる事をあえて誰にも言わせず置いた所に、家族の三女への気遣いと、三女の孤独を上手く表現していて良かったと思います。それ以外にも、口裂け女に関する噂を上手く劇中に取り入れられていて納得の一作でした。

口裂け女2 [DVD]

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