ウォッチメン


あらすじ:あるヒーローが殺された。ヒーローは何故殺されたのか? 何故殺されなければならなかったのか? それはヒーローの過去と時代と仲間を知る旅になる。



感想:某映画評価サイトにも書かれていたけど「この映画はそれなりに歴史認識や知識が必要となる」
マーベルのヒーロー映画のように、勧善懲悪を求めている方は観る事を控えたほうがいい。派手なアクションは無いし、一部を除いてヒーローはただのコスプレ野郎だ。
視聴後に友人と感想を話していた時に、ヒーローの名前の話題になって、ロールシャッハの名前の由来が上がった。私は、顔の染みがロールシャッハテストに使われる染みに似ている所からだと分かったが、友人はロールシャッハテストを知らなかった。この場合、ロールシャッハテストの知名度が問題ではなく、この映画ではそれなりに事前知識が必要で映画内で教えてくれない。知ってる前提で進行する。もちろん知らなくても映画を理解できるが、知ってればいるほど面白さが増す映画となっている。


前置きはこのくらいにして、内容。
(軽くネタバレ含む)
ヒーローを殺した犯人を仲間のヒーローが探していくが、その間に歴代のヒーローが次々と殺されていくという、浦沢直樹×手塚治虫プルートゥ」のような内容で序盤が始まる。
捜査していく過程で、各ヒーローの誕生や過去が紹介される。
上記に書かれたように大半がただの人間で特殊能力など無く、ただのナルシストや右翼かぶれの男達である。そんな男達がなにゆえに世界を(特にアメリカを)自警するようになったのか。
そんな「現実世界にヒーローがいたら、ごらんの有様だよ!!」な世界の紹介である。


そして、話が進み、ラストに向かうと犯人の目的が『世界の均一な崩壊と共通の仮想敵の創造』だと発覚する。
仲間のヒーローが犯人の結果によって安定(一時的)な世界を観て犯人に賛同するなかで、ロールシャッハの行動がとてもよかった。正義がどちらにあるかはわたしのような人間には仕分け出来ないけど、ヒーローとしての正義を貫くロールシャッハの最後にはちょっと考えさせられた。
いい映画でした。