大東京トイボックス4巻

あらすじ:マサの暴走・仕事放棄から、太陽の不調。


感想:
漫画とTVゲームって、同じエンターテイメント作品だけど徹底的に違う点がある。
それは、TVゲームは完成品を売り物にしている点に対して漫画はその場での完成品を売り物にしている点。
TVゲームは発売日に発売すると、購入者がプレイして「面白い」だの「面白くない」だの評価を付ける。その評価は絶対である。例え、「面白い」と言った人間が100人いて、「面白くない」と言った人間が1人でも、その1人の評価は正しい。何故なら、その1人の人間の最初から最後までプレイした感想だからだ。その主観は誰も汚す事は出来ない。
しかし、漫画は連載している限りその場その場で評価が変わる。今週は「面白い」と評価しても来週の展開次第では「つまらない」と思う人も出てくる。完結してのみ総合評価が出せる。したがって、連載中は未知数であり、連載中の作品の感想など、ある意味、発売前のゲームにカスタマーレビュー付ける事とあまり変わりはない。
だが、連載中の感想を目安に「面白い」の評価を目指す軌道修正が出来る事も連載中の漫画の強みであると思う。
ようは、読者が喜ぶ展開に話をシフトする。こう書くと、人の声に流されやすい自己意識が低い漫画家と捉われそうだが、漫画で生きると言う事は、仕事と言う事はそうゆう面を無視してしまってはいけないと思う。


以上を踏まえて4巻の感想。
はっきり言って、主人公の太陽なみに漫画家が何を目指してい漫画を描いているのか分からない。
太陽の懊悩を太陽の過去を知った月山ちゃんが助けてSOUPで成功させることが話の筋だとするのなら、マサの脱退が表すモノが何だったのか、大東京トイボックスになり話の中心にいたモモは、マサの騒動後、脇役以上に影が薄くなってしまったのは何故なのか。それに輪をかけて、SW内部での騒動。
大東京トイボックスが勧善懲悪、『努力・友情・勝利』の三本柱が立つ漫画だとは思っていないが、読者が望む者って感動とか共感とか納得とか爽快とかそうゆう前向きな気持ちにさせる要因だと思う。
もちろん、この漫画は季節で言うなら4巻は『冬』で、5巻や6巻では『春』が来て4巻でも問題が解決して読む人間がスカッとした気持ちになれるのかもしれない。そう願いたい。


自分は頭が悪いからうまく表せないが、言いたい事を要約するなら。
「漫画家のあなたは、自分の作った世界観を強度にする為に登場人物一人一人の思惑や願いを描きたいのだろうが、それをいっぺんに表現したら、僕ら読者の居場所は何処にあるんだ」

大東京トイボックス(4) (バーズコミックス)

大東京トイボックス(4) (バーズコミックス)

完結したら僕のこの評価が変わっている事を切に願う。