新劇場版エヴァンゲリヲン:破

あらすじ:アスカ登場から初号機暴走(?)まで。


感想:
劇場版新世紀エヴァンゲリオンが上映されてから、約11年。
当時、主人公シンジとほぼ同じ歳だった僕らは、あの「気持ち悪い」という終わり方に困惑の色を隠せないでいた。
ある人は、あの言葉の意味を「虚構と現実が捻じ曲がった僕らの夢」に対してだと言い、ある人はあの言葉の意味を過去の歴史書から引用したと言った。
公式的な答えは無く、その為多くの解読本が出版されたが、それは多くの選択肢を増やしたに過ぎず僕らは納得の出来る「答え」を出せないまま歳を重ねていった。
僕らはどこかでその「答え」を求める事を諦め、生まれては死んでいくエヴァを模倣したアニメや映画を観る事によって、あの答えを忘れようとした。涼宮ハルヒを第二のエヴァだと持ち上げるマスメディアに迎合しようともした。大人になった僕らには「答え」が存在しない可能性のある問題など解く暇が無かったのである。
しかし、多感な思春期に僕らの心深くに根付いた問いは、そう簡単にいつも僕らの心を震わせ回答をせがみ、僕らは、それから目をそらす為にその問いを「セカイ系」というレッテルを貼った。
存在意義が明白でない発祥も達成も出来ない「セカイ系」は僕らを呪った。



そして、2009年6月28日。
僕は『新劇場版エヴァンゲリヲン:破』を観て気づくのである。
庵野監督は、僕らにかけた「セカイ系」の呪いを解く為にこの映画を作ったのではないか?
あのどうしようもないオワリを『破壊』する為の『破』ではないか?



ともかく、大筋の内容を踏まえつつ、設定を弄り回しているこの「破」はとても面白く、かつラストのカタルシスはさすがガイナックスと一級品なのでみなさん是非見てもらいたいもんです。
特に、あの世代を生きた20代後半の人間は、解呪の為に観てもらいたい!!

余談:
アスカがワンダースワンを持っている理由は、スポンサーがバンナムだからか。
バンナムからしたら、それは黒歴史なんじゃないのか?