鉄風 第一巻・第二巻

3/5に目出度く太田モアレ著『鉄風』第一巻&第二巻が発売されました。
昨日さっそく購入して読んで見たんだけど。上手く感想を書く自信が全く出てこないので、このままバックレて不貞寝かましてやろうかと思ったのですが、連載開始時にあれだけ絶賛した手前、あの記事を読んでくれてもしかしたら「そんなにお勧めするならウチ単行本が発売したら買うだっちゃ♪」と思ってくれた方もいるかもしれんので、そのような方に自分が単行本の感想を書かないと「結局連載開始時は面白くても回を重ねるごとにつまらなくなったって事かよ」等と勘ぐられてしまうのは非常に不愉快なので、どうにか書きたいと思います。前口上長いよね。


あらすじ:スポーツ万能で挫折や苦悩と言った『悩み』から一切無縁の生活をしてきた石堂夏央は、高校に入りバレー部になんとなく入部するものの持って生まれた才能から簡単に先輩からレギュラーを奪い至極退屈であった。そんなある日、格闘技部の入部勧誘をする馬渡ゆず子に出会う。ゆず子の屈託の無い無邪気な笑顔を振りまく姿に嫌悪感を覚え、体験入部の体を装った道場破りを行う。空手の知識・経験しか持ちえていない夏央は総合格闘技というフィールドでゆず子に軽くあしらわれしまう。自分のプライドをズタズタにされた夏央はゆず子に勝つために再戦を挑みあえて負けるのだった。


感想:
日本橋ヨヲコの『G戦上のヘヴンズドア』は漫画家を目指す高校生の物語なんだけど、その単行本の巻末で著者が「この漫画のテーマは漫画や漫画家ではありません。漫画家を目指す方はもっといい本を読んだほうがですよ」と書いていて*1、自分はこの漫画も実は女性総合格闘技漫画でありながら、実は女性総合格闘技がテーマではないと思っている。“まっすぐ性格が悪い”と友達に評価される夏央の成長と言うか、一人の天才選手の誕生譚ではなかろうかと。さすれば、そんな天才選手の誕生譚で思い出すのは、新井英樹の「suger」となる。それは、北海道のダンスが得意な高校生が、ふとしたキッカケでボクシングに出会い、ボクシングに酔いしれ、その才能を開花させ満足できる相手がいなくなって孤独になっていく姿を表した物語である。「鉄風」はその逆で満足の出来る相手さしずめ恋人をを見つけて努力を始めた天才の話なんかなぁ。
とまぁ、他の本と比較したり、引用かまして大層な文章っぽく書いてみましたが、本音が全く書けないので奇麗事や装飾無しでマッパ丸出しで言う。


これほど熱くて面白い漫画そうそう在るもんじゃないから、存在している奇跡に感謝してみんな読んでくれ!!




鉄風 1 (アフタヌーンKC)

鉄風 1 (アフタヌーンKC)

鉄風 2 (アフタヌーンKC)

鉄風 2 (アフタヌーンKC)

*1:うろ覚え