オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー

あらすじ:40年前の世界でたまたま落としたアンクのメダルによって歴史が改変され、仮面ライダーは敗北し世界はショッカーに征服されてしまった。そんな世界を元に戻す為に再び電王・オーズは時を越えるのであった。


感想:
平成ライダーになってから、仮面ライダーの敵は組織ではなく、ふっと湧いた怪人になった。それが良いか悪いかは分からないが。つき詰まる所平成ライダーとは個人対個人の戦いだった。相棒のライダーがいようとも敵がコンビで来ようとも。敵が組織化した団体で「世界征服」やら「人類抹殺」を大義に戦う事は無かった。
それがこの映画では敵はショッカー。地球を征服して人類を支配・統治する。独裁国家最高!!と反逆する人間には怪人を用いて人間を暴力で従わせる。
映画が始まり、アンクのメダルによって現われたショッカーに支配された世界は恐ろしかった。ショッカーの元ネタがナチスだと言う事は有名だが、浮浪者のような住民に廃墟だらけの灰色の世界、そこに暮らす子供は人を疑いチカラでしか世界を変えられないと世界を憎む。まるでドイツの戦時中を描いた映画のような雰囲気だった。その世界では仮面ライダーは怪人に破れ、再度洗脳手術を受けショッカーの手先となっていた。仮面ライダーを憎み恐れる子供が電王の力で時を越えて、40年前の仮面ライダーを信じている子供と対峙し、その世界で活躍する仮面ライダーの勇姿に自分達の価値観を疑うシーンなんて本当に良かった。時代を越えた価値観が真逆の子供達。
そう、この映画は仮面ライダーの映画なのに子供が中心に話が進むんですよ。
ライダーより子供。子供ありきのライダー。
「人を守る為に戦う仮面ライダー」この当たり前の言葉を全面に押し出したストーリー。守ってきた人の力によって復活するライダー達を見た時は感涙した。
最後の流れはお決まり過ぎてちょっと食傷気味になったが。ライダー復活のご都合主義満載の展開は今ではバカにされる王道っぷりが実に良いので是非ご覧下さい。
あーなんか取り止めが無い……。


個人的に、凄く良かった言葉は、ライダーの「この世に悪が栄えた世界などない(うろ覚え)」に対して悪の幹部が言った「悪とて勝てば正義よ」の言葉が凄い好き。自分を悪の組織だと理解していながら正義を渇望したような言葉。悪の組織がこれを言うのはずるいがカッコいい。