プリンセス・トヨトミ

あらすじ:突如として大阪府で一切の営業活動、商業活動がいっせいに停止した。物語はそこからさかのぼること10日前、大阪に実地検査のため足を踏み入れた会計検査院の調査官3人と、地元の中学校に通う2人の少年少女。それぞれの思惑と誤解が交錯したとき、長く閉ざされていた歴史の扉が開かれる。(ウィキペディアより)


感想(ネタバレ全開):
一言でいえば「クソッタレ」。今年一番のクソ映画で、もしかしたらこのくだらない映画に比べたら「こち亀THEMOVIE」の方が笑えるかもしれないほどのつまらなさ。

まず、『予告で内容の9割方を説明している』。
予告の時点で「大阪国」という場所があり「大阪国大統領」が存在していると告げているので、きっとその「大阪国」を舞台に主人公が何かをするのかと思ったら、大阪国は秘密にされており中盤で大阪国が明かされるが、それは単なるカルト宗教だった。
その2、大阪国の国民がおかしい。
その団体の存続理由「大阪で生き延びているトヨトミの子孫を見守り続ける」という目的のみで生きる彼らは宗教というより、「高校のマドンナの親衛隊」みたいな存在ので、うそ臭い歴史文書を後生大事にして「俺達は日本国政府に認められた存在だ」とか「仮にこの文書が偽物でも俺達はやる気を出せば大阪を国として独立させる事が出来る」的な虚勢を張る。その反面、「俺達には活動資金が無い!だから国を騙して税金5億円をふんだくる事を黙っていてくれ」とのたまう。主人公が職務と全うしようとすると「こうなりゃ独立だ!信者集めて府庁前でデモやろうze」と大阪府庁前に大阪中の信者を集めて大阪の交通を麻痺させ、主人公にゴミをぶつけ「俺たちの気持ちが分かってたまるか!」とか「5億クレ」と物を投げての大クレーム。最後には拳銃による脅し。人数としてどれくらいいるか明言されていなかったが、まぁざっと観て1000人以上は必ずいるので、その光景を椅子に座りながら夕飯のメニューを考えつつキャラメルポップコーンをほうばっていた俺からすれば「その国民が毎月1万円でも大阪国に納めれば月一千万で年1億2千万。そんなに大事な国なら5万円納めることくらい余裕だろうに」とあきれ返ってしまった。もっと言うと、その「何処かで生きているトヨトミの子孫を見守る」という活動目的の何処に5億円もの金が必要なのか全く持って分からなかった。地下の意味の無い虚勢の塊と化した国会議事堂の維持費だろうか。
活動内容にも意味が判らなかった。「何処かで生きているトヨトミの子孫を見守る」というテーマは、戦国時代、徳川に豊臣秀吉が負け、商いを大事にしていた豊臣の末路を不憫に思った大阪の商人は、「何処かでトヨトミの子孫は生きている。彼の思いを無駄にしない為に大阪を盛り上げていこう」という噂を信じて大阪を盛り上げてきた。その思いの塊が大阪国だ。と言う。それは許せる。何かを信じて頑張るというのはどの宗教にも当てはまる根本である。仮にトヨトミの子孫が徳川に抹殺され、現在には存在していない事実があろうとも、その志を引き継ぐという姿勢は共感が持てる。しかし、その信仰対象の存在の有無を信者の幹部は知っている。という設定は頂けない。それでは、培ってきた彼らの尊い志が地に落ち汚泥に塗れてしまう。馬鹿じゃないの? それでなくても、国を騙して税金ふんだくって、府庁の地下に国会議事堂なんぞ作っているのに。
その3、矛盾多すぎ。
その4.主人公心変わりしすぎ。理由は分かるが仕事放棄スンナ。
その5.トヨトミの子孫だったあの数十年前の内田有紀みたいな子、存在のいらなすぎ。
その6.女装の意味なさすぎ(大阪の男として生きる父とその息子なのに女装ッコという対比の話を書くとしても)
その7.ヤクザ馬鹿すぎ
その8.誘拐する時にバックではなく社員証と携帯を落とす綾瀬はるかの行動に無理ありすぎ。バック落とせよ。
その9.大阪に観光客いなさすぎ。デモ日に大阪国民がいなくなろうとも観光客は何処行った。
その10.大統領の資質なさすぎ。もっと出来る男に票入れろよ。話の流れ的には世襲制ぽかったけど。


総括すれば、覚悟して観に行けばたぶん「思ったよりも面白かったよ」と言うでしょう。が、俺的には「とにかく5億くれ」と言い続ける大阪国民の民度の低さにゲロがでそうだった。親子の絆よりも、日本に依存しない自治経営を行って欲しい。後、トヨトミの子孫には、その事伝えて、彼女を国のマスコットとして扱えばもっと金になるよ!