デンデラ

あらすじ:「姥捨て山には続きがった」真冬の雪山に姥捨てされた斉藤カユは、これで極楽浄土に逝けるとありがたがりながら雪の中で死を待っていた。眠気に負けて倒れ、起きたら極楽浄土だと安心しながら目を瞑るが。目覚めた先は老婆のみが暮らすデンデラと呼ばれる村だった。


感想:
出演者がほぼ熟年女優の為か、劇場が老人ホームと見間違えるほどの熟年ばかり。それも上映一時間前に映画館に辿り着いてチケットを購入していた為に席は劇場の真ん中、周囲をご老人達に囲まれての不思議な映画鑑賞となりました。
原作を書いた佐藤友哉さんのファンだから映画を観に行ったので、面白い面白くないと言う基準では無かった為に友人を誘わずの一人視聴だったが結論から言うと友人を連れて行ってもそれなりに面白い出来だった。原作厨からの意見とすれば、毒芋(食中毒)のくだりが完璧にカットされていたが、そこは原作読んでいた時も「ユヤタン、急にサスペンス的な要素を入れたかったんだな」って思うくらいどうでもいい場面だったので特に気にせず。
やや演出にスプラッター要素がある為にそこら辺に目が行き、この作品を老婆とヒグマのバトル物だと思っている人がいるが。この作品の最大の見所は、主人公斉藤カユは、デンデラに付くまで周りの言う事を全部信じて「雪山で死んでも極楽浄土に逝ける」と思い込んでいた世間知らずなのだが、デンデラに付き、村に奇襲を掛けようとする過激派や、村の発展を望む穏健派などのいろいろな考えを持つ自分と同じ老婆に出会い、疑い、考え、自分の意見を探す。青春学園ドラマのような自己確立がテーマなんだ。その為に原作を読んだ人間は、老婆達のポジティブ&アクティブっぷりに、「こいつらババアじゃない!こんなババア知らない」と笑っていたんだ。かく言う自分も「この作品はAKB48で48人の女子高生VSヒグマの方が合っている」と感想を述べた記憶がある。
それでも、おおむね想像していた通りの映画と成っていて自分的には大満足だったのですが。
鑑賞後、起立した御老婆が「さや侍の方が面白かったわ」と呟いたので、自分の価値観は大いに狂っている可能性があります。
またはさや侍チョー面白いのかも!絶対に観ないけどな!!