STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん(終)

先日、全ルートをクリアしたので一つ一つの感想を記述。
ルート分岐はDメールを送るタイミングによって変化。まゆりのみ、まゆりとのメールを繰り返してフラグを立ててDメールを送らないとルート到達できない模様。

攻略順に書いていきます。

  • 牧瀬紅莉栖ルート

Dメールタイミングを全て無視してDメールを送らないと辿り着く。
未来ガジェット12号機「ダーリンのばかぁ」によって互いの右手が繋がってしまったオカリンとクリスがラブコメお決まりの「手錠で繋がれたまま日常を過ごしてキャッキャッ」という展開の話。
序盤の二人の痴話ゲンカは観ているコチラがニヤニヤもの。そんな二人を観るのも楽しいが、本編では中盤以降まで犬猿の仲であったクリスと鈴羽の楽しげな語らいがなんとも新鮮。クリスとフェイリスという絡みも本編ではあまり観られなかったのでそれもまたFDならでは。
後半での、クリスの「そっか、この腕輪が外れないなら、いっそ右手切っちゃえばいいんだ」は、この科学シリーズをカオヘからプレイしている古参への明確なるイジメ。*1イジメいくない。
オチについては、オカリンとクリスがらぶchu☆chuするのかと思いきや、妄想女子力を秋葉に公開するという羞恥プレイでの終りであった。他のルートでは、オカリンはそれなりに女の子*2と仲良くなってキスなりするので、予想外かつ、「オカリンとクリスはそうゆうの実際には似合わないよな」という安心感を覚えた方もいるはず。それについては、『シュタインズ・ゲート 至上最強のスライトフィーバー』の巻末にて、メインシナリオを執筆した林直孝さんより、「オカリンにとってクリスはヒロインというよりパートナーと位置づけております」を汲み取った結果かもしれませんな。
クリスとクリス父の仲直りの話とかでも良かったんじゃなかろうか……。本編あんな感じだし。


  • 桐生萌郁ルート

「バンドしようZE☆」
という唐突な始まりを見せた萌郁ルート。ラボの予算が無くなったので資金稼ぎにバンドを組んでグランプリ入賞して賞金を当てよう。と画策したオカリンによってラボメンでバンドを組んだが、なぜかボーカルが萌郁になってしまうという科学要素ZEROのルート。プレイヤーのわたくしとしては、お前らみんなプロ声優なんだから誰がボーカルやってもそこそこ上手いだろ!とメタ突っ込みを入れつつ、この捩じれ曲がった世界線をプレイしました。
アバウトに紹介すると綾波レイを筆頭にする無表情・無口キャラの一人である萌郁が人に対して心を開いていく無表情・無口キャラお決まりの話。
本編においては敵として登場して、彼女固有のルートは存在しないほど希薄なキャラを個別ルート化した為か、世界設定にかなり無理があり、他の世界線では聞いた事が無いような、ブラウンが過度に萌郁を気にしていたり、萌郁のケイタイ小説家設定、部屋の汚さや作れる料理はインスタントヌードルのみ等、他の世界とは確実に違う世界を形成しております。
ストーリーとは関係なく面白い演出だと思ったのは、オカリンと萌郁が映画を観に行くシーンで、二人が観る映画が、「メモリーズオフ ゆびさきの記憶」だという点。同じ5bp製のゲームですから、登場自体には問題は無いと思うのですが、こうやって自社のソフトを間接的に紹介するのはずいぶん上手い演出だなと。
このルートに関する不満は、バンド演奏が聴けなかった点と「アタシの虹」が行き詰まりっている事を、萌郁が自分から言うんじゃなくて、クリスなりまゆいなりが本を読んだ感想内で「そういえば、続編発売しないね」「なんでも、作家がこのラストの告白の返しを思いつかないらしいわよ」なんて具合に話して、それを立ち聞きしていた丘リンが「そうかそうか」って頭の片隅に入れて、アパートのあの場面で「実は……」で、オカリンがそういえばあいつらがそんな話していたな当たり障りの無い答えをまず言って、萌郁ショボン。後半で、あの時の答えを訂正する。で萌郁喜ぶ。の方が俺は好き。女心の分からないオカリンを表現しつつ、下げて上げるが出来るから。
まぁ、萌郁ルートがあっただけでも大喜びだよ。

  • 漆原るかルート

男のルカ子とオカリンが恋人同士になっているルート。
はっきりいって、腐女子歓喜ルート。男であるならばそれなりの耐性が無いと「でも、こいつら男同士だろ……」と現実に戻ってしまい、これに喜ぶという事は、「私は男でも一向に構わんと言う事か」と自分を疑ってしまうので要注意。
中盤からの「ドラゴンが空を……」のくだりも、多くのプレイヤーが「クリスの動かし方が下手糞なせいでその後の展開がバレまくっていてツマラン」と苦言を申すように、大きな風呂敷を広げておいてたたみ方がかなり雑なので*3。期待スンナ。このルートの面白さは「神に逢っては神を斬り、仏に逢っては仏を斬る」という装甲悪鬼村正の主人公の名言を口走るオカリンが観れる点かな。うん、それくらい。ルカ子が女の子ver.だったらドラゴンのくだりも許せたんだがなぁ……。

  • 亜万音鈴羽ルート

ひょっとした勘違いによって、橋田至ことダルが鈴羽に恋をしてしまった事によって、ダルの本来の恋人とのフラグが折れ存在の消滅に怯える鈴羽と、ダルの本来の恋を実らせようと努力するオカリンの話。
鈴羽ルートでありながら、ダルと鈴羽を思うがゆえに仲違いしてしまうオカリンとダルの友情のルートでもある。
「親殺しのパラドックス」をテーマに、オカリンとダルの友情や、クリスを憎まない鈴羽は、どのような存在なのか明かされるルートでもある。*4
鈴羽のコスプレがファントムブレイカー折坂芽衣であったのは、中の人が同じ*5だったのは言うまでも無い。でなければ、髪型違い過ぎて普通は勧めないよな。
個別ルートの中では一番SF的な話で自分は一番好きな話である。オチがBTTFなのも笑えてよかった。
ただ文句言うなら、ダルの勘違いの訂正と恋愛成就は、ラボメン全員で取り組んで欲しかった。ダル以外のみんなで「あーだ」「こーだ」言って、クリスがスウィーツ(笑)脳的作戦を立ててオカリンが嘲笑って、まゆりがさらっとばらしそうになってそれを必死にみんなで否定とか。「人の恋路は大勢で取り組んだ方が笑える」をやってもらいたかったなぁ。

鈴羽ルートにて、ラボメン全員で問題に取り組む話が良かった。と書いたが、フェイリスルートこそ、その「ラボメン全員で問題に取り組む話」であった。
その世界線では4℃は雷ネットのファイターではなくフードプロデューサーとして秋葉原に降臨する。違法な方法によってライバル店を潰し自分のプロデュースするメイド喫茶を大きくする4℃。その魔の手はフェイリスの働く「メイクィーン+ニャンニャン」にまで伸びてきた。
ラボメンが一丸となって4℃の卑劣な手によって客が引いてしまったメイクィーン+ニャンニャンを盛り返そうと、フェイリス・まゆりはもちろんの事、人手が足らない為に、クリス・鈴羽・萌郁が猫耳メイドに!そしてあの狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院狂真までもが黒服執事になる。*6
ラボメン全員でドタバタしながらまるで文化祭の出し物のようなノリでメイクィーン+ニャンニャンで働く。その一方で、健気に努力し続けるフェイリスを気遣うオカリン。青春邦画のような展開で観ていて凄く面白かったし、ラストの流れも良かった。
何より、素晴らしいと思ったのが、ラボメンがDメールを使って過去改変を行おうと誰も言わず*7、自らの力でフェイリスを救おうとした点だと私は思う。
最後の、何でも損得で考えて付き合いをしてしまうことに悩んでいたフェイリスが、メイド喫茶のピンチに“他のラボメンに救援のメールを送った”という事実が何気なく描かれていたけど、とても重要なシーンだったんだよね。

  • 椎名まゆりルート

まゆりルートに関しては、確実に製作陣の贔屓が見て取れるのでこれは非常にアカンで。まゆりルートだけ、キャラの新規立ち絵多すぎだろ。水着に浴衣に、まゆりはセーラー服やドレスまで……。グヌヌ……。萌郁や鈴羽の水着が見れると思っていたらPV詐欺で……フェイリスも競泳用水着だったし……。ルカ子の水着は……。まー、うん。
とにかく、PVを観て期待した水着回は跳んだ詐欺だった。大人汚い!
ストーリーは凄い真面目でよい話なんだけど。重箱の隅を突く様な行為だけど、プールの話とモデルの話と引越しの話という三つの山で構成されているまゆりルートの三つの山の間つまり、プール→モデル。とモデル→引越し。の繋がりがちょっと急に感じた。ルカ子ルートのクリスほどあからさまなフラグを立てろとは言わないが、プールの話からすでに引越しフラグを立てておいて、モデル終りでバレればよかったような。プールの話も、まゆりが無理やりでもラボメン全員をプールに連れて行くの、そんでそんな必死なまゆりを観てオカリンが「こいつなんかおかしいな」って思って、まゆりは引越しがあるから出来るだけみんなと思い出が作りたかったというオチにするの。ロボまゆしぃだけじゃなくて、まゆりルートではとにかくまゆりは張り切って、時折寂しい顔をすれば最後の引越しに全てを繋げられるじゃん。*8それで、思い出作って、まゆりはみんないると楽しいなって思って、でもどこか寂しいって思うの。それはきっとオカリンに逢えなくなるからだって気づかせてまゆりの心を少しだけオカリン向けるの。でも、そうなると引越しの話は出来ない。そんで後は後編の流れに持っていかせればOKだと思うんだが。必死に楽しむまゆりにクリスやルカ子辺りが変だと気付くだろうし、そうなれば「岡部、とっとと行け」「狂真さん、まゆりちゃんをお願いします」っていうラボでの叱咤も深くなるやん。
まぁ、そんな事よりまゆりルートはまゆりよりクリス派のわたしの心でさえ「なにこの天使?」と思わせる破壊力を秘めているので楽しみなさい。
エロまゆりの妄想はいらんと思うよ。まゆりファンはまゆりにそうゆうの求めてないと思うよ。*9






総括。
カオヘらぶchu☆chuは共通ルートが長すぎて、それが終わっても数人はあんまり変わらない個別ルートだったのでちょっと残念な出来だったが、こちらは、個別ルートの方向性が6人全然違っていてとても面白い。メールによるやり取りも各ルートに存在していてシュタゲやっている感が味わえる作品となっている。今作ではメールリストが存在し、どこで誰からどのようなメールを受け取った・送ったという情報がツリー形式で見れるようになっている点が親切でよかった。全ストーリーで合計25時間くらいで終わるので、ボリュームには期待しない方がいい。全コンプリートで貰えるアイコンは右の俺のゲーマータグがそれである*10人工衛星っぽくなくてなんだか良く分からない。カオヘらぶchu☆chuではザッツギャルゲー的な馬鹿アイコンだったので比翼恋理はそっち方面のアイコンの方が良かったな。*11
ともあれ、これでゲームとしてのシュタゲは終了。
今年中に発売予定の科学シリーズ第三弾「Robotics;Notes」に期待したい。
今年発売だとそろそろ情報が出るはずなんだが……。

STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん(初回限定版) - Xbox360

STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん(初回限定版) - Xbox360

STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん(通常版) - Xbox360

STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん(通常版) - Xbox360

*1:カオヘでは登場人物の一人が腕を切られるシーンがある

*2:一部、男だが

*3:なぜルカパパの本に指南書と書いていて宴会芸が載っていたのか。とか

*4:ダイバージェンシーが1%を越えた3%の世界では未来はデストピアにならず、鈴羽のタイムトラベルの目的は過去の遺産回収

*5:田村ゆかり

*6:ダルは少しだけペンギンになる

*7:Dメールを知らない人もいるか

*8:スリード狙って、まゆりが病気とか誰かに思わせるのもありだと思う

*9:まゆりを子どもに見ているオカリンが描きたかったのかもしれんけど

*10:7月いっぱい変更しません

*11:らぶchu☆chuでは文句言ったくせに