閃乱カグラ -少女達の真影-(始)

あらすじ:“善忍”育成機関“国立半蔵学院”に在籍する5人の少女が『超秘伝忍法書』を狙う“悪忍”養成機関“秘立蛇女子学園”と立ち向かうという物語。ベルトスクロールアクションゲーム


感想:
まずは、この閃乱カグラの数々の奇跡から紹介しよう!
2011年2月にニンテンドー3DSが発売され、その二ヵ月後にこの『閃乱カグラ』は「爆乳ハイパーバトル」と銘打たれ2011年夏発売予定として世に発表された。きっと製作陣はDS黄金期のような状態を夢見て3DSにて製作したのだろうが、4月時点で3DSの売れ行きは決して褒められるようなものでは無かった。(世間が期待していたマリオやポケモンなどの任天堂有名作品の発売が全く決まらず、値段や3Dに対して否定的な意見も多かった)。このカグラ発表の時点では、世間は「エロゲが出るハードは末期」の法則から3DSの終わりを囁き嘆き、閃乱カグラの内容にはそれほど興味もなくただのキャラゲーとして見做していた。俺も。
そして、時は進み、2011年7月。任天堂3DSの売れ行きの悪さに一万円の値下げを発表した。時に閃乱カグラ発売二ヶ月前であった。当時、閃乱カグラプロデューサーである高木謙一郎氏はこの値下げ発表に対してツイッターにてこう叫んだ。
「神風ふいたー!!!!!!!!!!今は、赤壁の戦いの時の孔明の気分!!!!!! 」
3DSの売れ行きを案じている時に任天堂からの本体値段値下げはまさしく二ヵ月後に発売するソフトにとっては神風であった。
そして2011年9月13日。TGS前に行った任天堂カンファにて年末に怒涛のソフトラッシュが発表され、3DS自体に世間の注目が集まった。また年末発売のソフトの多さから年末にはハードが品切れする可能性を考えた人間は3DSの早期購入を始め3DSの売り上げが好調となるのであった。閃乱カグラファンは当時こう書き込んだ「またカグラに追い風が吹いてしまったか・・・ 」
そして、発売一週間前。奇しくもまた妙な風が吹くのであった。
それはフラゲしたプレイヤーが見つけた更衣室が3D非対応という事実だった。その事実はプロデューサーのツイッターから後に公式に発表され、3Dで女の子を見たいと切に願っていたファン達の心を酷く砕き、一部のファンは予約のキャンセルまで行った。この時点では神風というより逆風であったが、この事実が何故かいろいろなネットニュースサイトに飛び閃乱カグラは発売数日前にして知名度を上げる結果となった。
そして発売日。首都部ではソフトの発売を祝うかのごとく台風が過ぎ去っていた。続々と上がる感想には、ゲームのメインであるおっぱい(ビジュアル)の事も書かれるが、そのアクションパートにプレイヤーは唸った。ベルトスクロールアクションなのである。過去にファイナルファイトで一時代を作った横スクロール型アクションゲーム。しかし、時代が進むにつれて廃れていったゲームジャンル。そのゲームシステムを現代のゲームに持ってきたのだ。もちろんただ移植したのではなく、忍者をテーマとしたゲームゆえに忍者らしいキャラクターの素早い動きと簡単操作で誰でも爽快にコンボを繋げる事が出来るアクション性。3D表現のゲージを溜めて放つ必殺技や衣装チェンジ。戦闘スタイルを選択することによって変化するキャラクター。そのゲーム性はキャラゲーとしての予想を大きく上回る出来であった。
その出来を知ってか知らずか、ニンテンドー3DSソフトでありながらSECの吉田氏が購入した点も、ネットでは閃乱カグラがただのキャラゲーでないと思われる事態となった。
そして、2011年9月24日閃乱カグラはアマゾンにて並み居る強敵を抑えてゲームランキング一位を手にすることとなる。しかし、これにはカラクリがあった。一位になる数時間前、閃乱カグラがアマゾンにて10円で販売する珍事件が起きた。これは販売者が値段表記を誤ったという事が事の発端なのだが、その10円での販売はまたネット中を駆け回り、多くの人間が10円で販売されている閃乱カグラを買い求めた。(後になり全ての購入は販売者側からキャンセルさせられたそうな)すると閃乱カグラの売れ行きは伸びアマゾンランキングを駆け上り一位になった。というのが真実なのだが。それでも一位になった結果、注目度は増した。神風が吹いたのだった。
同日発売の本命馬が大きく失脚する事態になっている点もファンは「神風が……」と囁いたとかなんとか。


まぁ、そんな感じで数々の奇跡によって閃乱カグラは馬鹿売れ中らしいです。俺は発売日に買ったぜ! 店員から「キモオタ乙」みたいな汚物を見るような目で観られたが、もうこの歳になると特に気にならないな。
第一章をプレイし終わったが、5人の忍の中から一人を選んで戦うのだが、命駆モード(衣服を脱いで水着一枚になることによって防御力を捨てて攻撃力とすばやさに特化するモード)の葛城で敵をバッタバッタと倒すのが楽しい。アクションゲームを決して得意でない自分でも300コンボくらいは何度かやれば出せるし、今では500や600コンボ出せるのが爽快。長刀使いでリーチのある斑鳩やオールマイティな飛鳥辺りも使いやすく、柳生も攻撃力が高くて使いやすい。雲雀は動きがトリッキーすぎて。
アクションパート以外にも、ミッションが終わって忍部屋に戻ってくると他の待機メンバーから「おかえり」と声を掛けてくれる点や、キャラチェンジの時にキャラクター同士が声を掛け合う点も地味だけどキャラクター間の仲良しさを表していて良い。こっちが資料を読むと資料に対して口出しするのも可愛い。とにかく凝ってる。5人の忍の魅力をプレイヤーにアピールする為のギミックが凄い。
プレイしながら、「このゲーム対戦モードや協力モードなんか欲しいな」とか「タイムアタックでオンラインランキング」とか、「蛇女も操作したい」など不満点や要望が頭の中に浮かんでくるのが。
ゴッドイーターやっている時と同じ気持ちになった。あの時も「はいはいモンハンパクリゲーww」って思ってプレイしたら、予想を裏切って、モンハンとは違う方向性に進もうとする製作陣の気迫に驚いた。閃乱カグラもそんな製作のやる気が感じられる作品なんだよ。「やる気はあるけど時間と金がない」というジレンマが溢れた作品。もし次回作があるならきっと素晴らしいゲームになる。そう予感させるゲームだよ。
製作スタッフはアンケートとって閃乱カグラ2の製作に取り掛かるんだ!
岩田社長はいますぐ社長が訊くの準備して!

余談。
製作のタムソフトって、お姉チャンバラドリームクラブの製作をしていたのね。なんか、いろいろ合点がいった。お姉チャンバラの次回作が『お姉チャンバラZ〜カグラ〜』ってのはそうゆう繋がりなのか、じゃあキャラも……って販売がD3とマーべラスか、難しいな。