モールス

あらすじ:内気でいじめられっ子のオーウェンはある日隣に引っ越してきたミステリアスな少女アビーに恋をする。雪の降る深夜の公園で彼女と話す事が何よりの楽しみになった。彼女が何でもない顔で雪の上を裸足で歩いていても、夜以外では出会えない事も、お菓子を食べると吐いてしまう事も全てを見ないふりをして……。そんな折、街では謎の連続殺人事件が多発していた。



感想(ネタバレ含む):
物語の中で彼女が吸血鬼だというのをオチに持ってこずに、一応親父の虐待というミスリード要素を張りつつも中盤くらいで彼女が吸血鬼だと明かすのは意外だった。そして、主人公が彼女の従者となるという終わりは『ホラー恋愛映画』と銘打っているだけの素晴らしい終わり方だった。というか、何処ぞの映画紹介番組で「ホラー映画」と謳って紹介していたのでそうゆう見方で映画に入り込んだし、特撮も恋愛映画というよりホラー映画よりのグロシーンとかもあったので穿ってみていただけに彼らの心が通い合う流れには驚いた。特にラストの車内の光景は、彼と彼女の決して相容れない関係を箱という一枚の板で表現していて、その一枚の板を互いに叩き合う事で、存在と意思を伝え合うシーンはちょい感動。


でも、永遠の命を持つ存在と限られた命を持つ人間との悲哀は書き溢れているし、助けた超常的存在がいじめっ子に恩返しする展開もありふれているので。全体的には驚くようなストーリーではなかったなぁ。なんかラノベっぽかったし。ヒロインがキックアスのあの子なのね、監督がクローバーフィールドの監督なのね。どうりでSFXに無駄に力が入っている訳だ!


まぁ、いい映画なので観たい人は観れば良い。
頭が腐って恋愛映画の恋愛要素が認識出来ないので良い口説き文句が書けん。



余談。
ラストに感動はするが、その数十年後が序盤の親父と彼女の暮らしだと考えると、吸血鬼との身分違いの恋の結末はなんとも侘しいものだよね。
吸血鬼関係なく、サラリーマンと専業主婦と同じともとれるな。旦那が奥さんに渡すものが「金」か「血」かの違いだけで。そう考えると
彼女は彼に対して炊事洗濯くらいはするのだろうか。彼女の家荒れていたなぁ……。
寓話を現実的に考えるのはよそう。
純愛にドロを塗る!それが俺のダメなところ。