戦姫絶唱シンフォギア 第一話『覚醒の鼓動』第二話『雑音と不協和音と』


あらすじは一応書くが、あらすじなんぞ読まない方が楽しい。
なのでココでニコ動の一話を貼っておく。ユーザーなら無料で観れるのでまずは観て欲しい。相性が合わない方でも10分くらい観て欲しい。





あらすじ:立花響は、人気ボーカルユニット「ツヴァイウィング」のライブを観に行く。幼馴染である小日向未来の誘いでライブを初めて体験する響は、ステージの上で舞うように歌う2人、天羽奏と風鳴翼の姿に感動していた。しかしその矢先、会場がノイズの襲撃を受ける。崩れゆくライブ会場で呆然と立ち尽くす彼女が見たのは、謎の歌を口ずさみ武装した奏と翼がノイズの大群を掃討している姿だった。その最中、ノイズの猛攻で奏の装甲が砕け散り、その破片が響の胸を直撃する。「生きるのを諦めるなッ!」という言葉を薄れゆく意識の中で聴いた響は、命を賭した攻撃で力尽きた奏の最期を見て気を失った。(wikipediaより)


感想:
これもwikipediaさんからの引用なのだがこのアニメに関してこう記述がある。

涼宮ハルヒの憂鬱』や『マクロスF』『けいおん!』などのライブシーンが話題となった作品が続々と出てくることを受け、 「ライブとアニメが融合した作品はヒット作になりうる」という確信の基に上松は企画を固めていったという。

ようは『流行り物に乗っかる』という素晴らしいゲス(良い意味で)な考えで始まったこのアニメ。一話を観た方なら分かるだろうが、正確な始まりは、雨の中、バス停で傘も差さずに百合の花を持つ少女から始まる。彼女の独白と雨の音、雨に濡れる少女とけが人しか乗っていないバスは、シリアスな雰囲気を持たせており、ここから壮大な物語の始まりを告げる鐘のように思える。少女は霊園の中に存在する一つの墓石の前で泣き崩れる。墓石に添えられた写真たてから、そこに映る少女の死を嘆いている。そうこのアニメは真面目なアニメだと思わせる事から始まる。そしてタイトルが映し出される。
さきほどとは打って変わってマクロスのような展開になる。国民的なアイドルのライブを観て感動する女の子。ノイズ襲撃時のBGMも何処と無くヴァジュラ襲来時のBGMに似ている。(たぶん気のせいだと思うが)
そして、その未知の生物(ノイズ)に襲われる観客。戸惑う翼に戦う事を決める奏。二人は変身し大勢のノイズに打って出る。歌いながら戦うというそのスタイリッシュな戦法には驚いたが、女の子二人が変身して怪物と戦う。折りしも歌がテーマで一人の名前が奏とくると、さながらスイートプリキュアと重ねた方もおるだろう。そして、逃げ遅れた響を救う為に身体を張る奏。多勢に無勢、奏の努力も虚しく砕けた奏の槍の破片が響に突き刺さる。流血しながら虚ろな瞳で横たわる響に奏は意を決して、己の命を燃やして周囲のノイズを一掃する『絶唱』を歌う。
ここまで約13分。普通のアニメなら30分、いや二話使ってもよい展開を迷い無し&説明無しで突っ走る。
この瞬間に「あーこのアニメは俺の中で名作になる」とそう予感させた。このアニメには「速さ」がある。1から10まで説明する優しいアニメが多い現代に、ここまで好き放題に暴れてやりたいシーンだけ撮るその潔さに心を打たれた。
絶唱』後は、響の日常シーンから始まり響の覚醒までを描く。ここの展開も1話の残りの時間を使っている為に10分で描く。*1大忙しである。観ている視聴者は、「世の中にはノイズという化物がいて化物と戦う少女達がいる」ただそれだけしか分からない。しかし、スタッフサイドとしては一話で伝えるべき内容はそれとキャラ紹介くらいだったのであろう。普通はその世界観を、一話で「主人公の危機」二話で「正義の使者と構図」と2話くらい使って丁寧に説明するのが普通だと俺は思う。
しかし、Aパートの他に類を見ない高速展開の流れから観れば、Bパートの流れは随分穏やかである。アニメ一話の流れに緩急を持たせて視聴者を飽きさせない作りになっているだと考察した。
終わりも響の暴走を匂わせるなんとも気になる引きで終わる。EDが黒をバックにスタッフロールが昇っていく映画のような終わり方にも最初のシーンで感じた大いなる始まりを予感させていた。*2


そして第二話。
第一話の暴走シーンから始まり、OPに繋がる。OPには多くの伏線と第一話のED曲がOP曲だったという驚きが詰まっている。
OP明け、突如変身してしまった事に戸惑う響。ノイズから少女を守る為に少女を抱えて空を舞う。敵の攻撃を逃げ惑っているその時、バイクに乗った翼が現われ変身して敵をなぎ払う。
響の変身した事によって身体能力が強化されその己の力に驚くが、すぐに状況を理解して使いこなすその姿は、特撮変身ヒーローモノのお決まりであった。第一話で「重要な場面では敵が攻撃しない」点から、このアニメは他のアニメだかけではなく特撮からのインスピレーションを得ていると聡明な視聴者の方々をお分かりだと思うが、第二話ではその特撮部分が色濃く映し出されている。
その後、翼が属する特異災害対策機動部二課やシンフォギアシステムの解説が行われる。組織は響に、これまたお決まりととも取れる、自分がヒーローだという事は秘匿するように苦言する。世界を救う英雄でありながらそれを隠しながら一般人のふりをして生活する。二重生活を強いられる訳である。それはさながらウルトラマン仮面ライダー、海外ではスーパーマンが例に上がる。
響サイドは往年のヒーロー生活が始まるが、もう一人の主人公、翼は奏との過去に囚われ、響の所持するシンフォギアが奏の「置き土産」だという事実に苦しむ。翼の物語は最愛の相棒の死を引きずり、復讐の為に生きるダークヒーロー的な観点で進む。翼の苦しみは第二話のED前にて爆発し響への戦いを挑む姿となって露になるのだが。
正義のヒーロー同士が己の考えの違いから戦いあうのは、平成ライダー前期によく観れた展開である*3
そしてEDになる。
ちなみにニコ動では次回予告は無く、ユーザーの投稿絵が紹介されて終わる。


どうだい、面白そうだろう!
いやいや、君の言いたい事は分かるよ。
腐った林檎から食える部分だけを切り取って並べるなって事だろ?
知っているさ。

  • 勢いに任せすぎな展開も
  • ウルトラ怪獣をパクッたようなノイズも
  • ノイズが出待ちしすぎていることも
  • 響が吉崎観音キャラに見えるのも
  • 司令官がリオレウスなのも
  • 司令室がエヴァっぽいのも
  • 教室が急坂なのも
  • 校庭のトラックが四角いのも
  • つーか、作画が所々で崩壊してね?ってとこも
  • 悠木さんの歌がお世辞にも上手いとは言えないのも
  • 歌っていうか、セリフもアレじゃねってとこも
  • WAネタをこっそり入れて未WA視聴者を混乱させるのも
  • たまにアニメよりも音楽が前に出すぎるのも
  • 第一話のBパートの翼戦闘シーンで曲が出来上がらずに、仕方なくアニメを先に作ったから翼が歌っていないっていうシーンも
  • 放送前にアニメ雑誌で「高山&水樹の歌姫コンビ戦う!」って記事を一杯出しておいて第一話で奏殉職という嘘記事にするのも
  • 第一話でノイズに通常兵器は透過する設定なのに第二話でノイズにバイクが当たって爆発するという矛盾も

なにもかもオレは知っているし、モノによっては悲しくも思う。
でもさ、そんな重箱の隅を突くような行為よりも、雰囲気で観ていた方が面白いよ!そんで勝手に自分なりに解釈して笑ったり泣いたりしたら最高だと俺は思うわけさ。
てことで、この二週間考えたシンフォギアの感想を終える。
今後、随時感想は書いていこうと思うが、オレの人の子なので「こりゃタダの糞アニメだ」と匙を投げて不貞寝して借りてきたメンタリスト2ndシーズンに逃げるかもしれんがそこら辺は勘弁してください。



余談。
WA2をPSアーカイブスからDLしたから、ちびちびプレイする。
それについてはまた後日。

*1:正確にはEDがある為に8分くらい

*2:これを書きながら三度目の視聴にて原画に馬越嘉彦さんの名前が、もうプリキュアじゃん。調べたら変身バングを描いたとの事

*3:平成ライダー前期ではなく井上脚本とも取れるが