劇場版ストライクウィッチーズ

あらすじ:第501統合戦闘航空団が本格的に解散し、魔力を失った芳佳は医師を目指し勉学に励んでいた時、扶桑皇国のウィッチ・服部静夏軍曹が現れて、扶桑皇国から欧州の医師学校への留学辞令を渡す。最先端の医学が学べると意欲を燃やす芳佳は静夏と共に欧州へ向かうのだが…(wikipediaより)




感想(ネタナシver.):
2期の最終回で劇場版製作が発表されて幾星霜、扶桑海事変を描いた「ストライクウィッチーズ零」が連載され、リーネちゃんの姉を主人公とした「片翼の魔女」も連載され、「アフリカの魔女」が商業誌に転載されたり、ラジオが再開されたりと劇場版に向けて加速していったスト魔女業界。
そして、3月17日全国(?)ロードショーとあいなりました。

予告から登場していた通り、新キャラ服部静夏の登場や古参ファン垂涎の動くハイデマリーの活躍と新たなスト魔女を見せつつも、TVアニメシリーズお馴染みの501の面々も銀幕の端から端へと飛び出さんばかりの大活躍をみせておりました。



おし!ネタバレ無しはココまでが限界だ。以下はネタバレ有ver.で送る。





感想(ネタバレ有りver.):
いろいろ言いたい事はあるが、まずはアフリカ勢の不在について。
アレはなんだったんでしょうね。
商業誌にアフ魔女が掲載された時に「あーこれは劇場版では大決戦だ」と「畑を襲うイナゴクラスの大群ネウロイに対して各国の名ウィッチが揃ったさながら『映画プリキュアDX』のような『オールライダー対大ショッカー』のような総力戦くるわ」と高を括っていたら、肩透かしを見事に食らってしまいましたよ。いやね、確かに戦場がカールスラント辺りだったし、あまりに一気に新ウィッチの大量投入すりゃ、観覧者の多勢であるTVシリーズファンの方々より、2期のマルセイユ回よろしくの「誰だよ?」「501出せよ」「EMT!EMT!!」のブーイングの嵐が予想される事ぐらい分かっていましたよ。
でもさ、ホープタウンまで行ったんだよ。「アフリカ大陸って寒いね」ってセリフまであったんだよ。こりゃキタって思うじゃん。なんで次のシーンではガリアなの?飛んでくる機影がリーネちゃんとペリ犬だった時、なんだろう嬉しい反面ちょっと残念だったんだ。
最初からハイデマリーが出て大活躍して、次に服部静夏が出て、「そっか、登場する新ウィッチって二人だけなんだ」って変な安堵していたら、ニパは出るわ、プリン姫は出るわ。登場したのに下に名前のが一切表示されなかったアメリーや、一枚の集合絵で「こいつら誰?」と多くのTVファンの頭にクエッションマークを育成させた502。ちょい役で2期序盤に登場していた赤パンツ隊。その他にも数名いたが、もう名前が思い出せないので割愛。そんな良く分からない人選の新ウィッチ、もしかしたら3期への壮大な伏線かもしれない新ウィッチ登場の中でなんで、アフリカ勢無しなんだよ……。そりゃもう鑑賞後に激情しまして、「アフリカ勢無しとか。おケイさん無しとか、つーか2期のマルセイユ回とか最終回の最後のアフリカシーンのカットとか何だったんだよ!」叫んだところ、類は共を呼んだか、見知らぬ達人より「陸戦ウィッチもでてねーよ」と言い返されてしまいました。

まぁ、出演ウィッチの問題なんて、どっかに置いておきましょうよ。
人型ネウロイでさえ2期では瞬殺されて「あんな奴いない」と言われるアイドル業界よりも数倍過酷な修羅場スト魔女業界ですから、3期では「映画ではいろいろなウィッチが出たが、あいつらは全部忘れてくれ!」になるかもしれませんし、「映画ではいろいろなウィッチが出たが、3期ではもっと新ウィッチ出す」になるかもしれません。
こんな些細な事にいちゃもん付けて、重箱の隅を突きまくって漆塗りを剥いじゃうような行為はやめましょうや。世の中には問わなくては問題と、解かなくてはいけない問題の山済みなんですから!
だってさ、そりゃ映画を観る前から席に座った人間みんなの心は「どうせ最後は宮藤が復活して宮藤無双だろ」でしたよ。ある意味、過去の子供たちとニコ厨*1黄金バットが登場して怪獣を部位破壊して倒すくらい、水戸黄門の印籠くらいの決まりきった結末を予測してましたよ。でもね、そんな予想をしていたからこそ、宮藤の復活の仕方にはいろいろな想像を膨らませてました。「魔力が回復するアイテムを宮藤博士が送ってくれる」「みんなの魔力を少しだけオラに分けてくれ(ゲンキ玉式)」「使い魔が新しくなって魔力充填」「烈風丸から逆に宮藤に魔力が送られて……」等等、想像を膨らませていて「意外と怒ったら魔力が復活するんじゃね」という一番ありそうでつまらない意見を押し殺してきたら、怒りはせずとも、「なんかみんなの気持ちで魔力が復活する」って凄く適当だった。なんか上映前に「もう宮藤休ませてやった方がよくね」とかインタビューで言っていたような気がしたが、もう宮藤こそがTVシリーズスト魔女なんだそうだ。
いや、復活する事は素直に嬉しかったけど、復活の仕方をもうちょいドラマティックに出来なかったものかと……。魔力無し宮藤でもシュワルツネッガーばりの大立ち回りを行ってネウロイを打ち倒した時点で「こいつ今後は魔力無しで戦うのか……それはそれでカッケー」と思わせた後に魔力復活ってのは…。対比か!あー表現の対比ね!!(適当)

まぁ、こんな糞虫の駄々っ子のような猫の使用済み猫砂くらい奴に立たない苦言よりも、良かったところ話す。
良かった所!!

  • 熊が皆勤賞を取った。熊の成長はすげー早い!!たぶん人を食っているか、闘犬を打ちのめしている。
  • ハイデマリーが本格的に登場した。すげぇー強いの。凄すぎて終盤では静夏ちゃんに「あれが伝説の501」と褒められているの、本当は静夏ちゃんと同じ新登場なのに。でもポジション的にサーニャの出番が減って、サーニャファンの友人は「サーニャ喋ってなくね!TVシリーズの一話ぶんよりも喋ってなくね!!さーえーきーーー!!」って言っていた。佐伯さん参加してなかったぽいね。そりゃちかたない。
  • ネウロイに戦いを挑む歩兵のおっさんと陸戦型ネウロイが登場した。おっさんのドテッ腹をネウロイのビームが貫き「うぎゃーーーー」「えーいせーいへー!衛生兵!!」「このペンダントを祖国の彼女に送ってくれ、それと父にすまなかったと、母にありがとうと、そんで弟にお前にヨッシーのたまご(FC)売ったの俺だと、妹に彼氏が不細工だと、あとあと従兄弟に……」「とっとと死ねよ」的なシーンは無し!!ドッテ腹貫くシーンはR-15になるから無し!!
  • ペリーヌさんが2期では実際に存在していたらこれ途中で舞台降りるだろってレベルのギャグキャラ扱いされていたのに映画版では、貴族していた。貴族ing(キゾキング)で、執事雇って、アメリーこき使って、戦災孤児を集めて学校開いていた。ペリーヌさんマジ貴族。なんか良い事も言っていた。「宮藤さんが来てから血圧が上がって朝から目覚めがいい」的な事言っていた。
  • リーネちゃんはいつも通りだった。いつも通り良妻として旦那に新調の白衣を縫って、怪我が治っているのに絆創膏巻いて「ほれ、この絆創膏に気付きなよ」ってアピールしていた。おっぱい大きい。
  • そんな事気づかずに、いつも通りミッチャンはミッチャンしていたんだけど、いつもの戦艦解説を静夏ちゃんに奪われてまた出番が減っていた。そして静夏というライバルがまた一人増えて宮藤ロワイヤルは三つ巴と化すのであった。
  • シャーリー&ルッキーニは、ルッキーニの声が変わっていた気がしたが、それはまぁみゆきちさんが「ルッキーニの成長における声変わり」を表したのか、声の出し方をすっかり忘れたのか、「ルパンでしょ、あの厨二病スタッフまみれのシンフォギアでしょ……いやーん仕事が一杯」と疲れていたのか、俺が徹夜明けで観にいたので俺の耳が腐っていたのかのどれか。たぶん気のせい。シャーリーはシャーリーでした。なんかもう頻繁にズボンを見せていたような気がする。もうそりゃ頻繁に。
  • エイラとサーニャは、出番の必要性がファンには悪いが無かったよな。あのスオムスを飛び立つシーンじゃ、会場の大半が「ニパ可愛い(おっぱい大きい)」状態だったし、その後に遭遇したネウロイはどうなったのか、全く表さないまま最終決戦に突入しましたな。魔道針の仕事もハイデマリーが一任しておりましたし。戦闘も2期のクソッタレなギャグ要素ありの戦闘ならば活躍出来ましたものの真面目戦闘でしたのでどうも影が薄かったような。いやいや、二人の掛け声がなければきっと宮藤の復活は無かったのでしょう。うん。
  • ミーナさんはミーナさんでした。まだ現役でした。そりゃ2ヵ月後だもの。
  • エーリカ&トゥルーデはファン垂涎の夫婦漫才から、ガチガチの戦闘。エーリカの本気シュトゥルームと大活躍。宮藤を助けに行くフルアーマーお姉ちゃんには会場からも笑いが起きてました。二人のファンなら、何が何でも観ておけ!電車賃腹っても船賃払っても、自県での上映を裏金使って斡旋しても観ておけ。
  • 静夏ちゃんは、悪く言うと1期の堅物バルクホルンなんだけど、実戦経験がないという事実が後半で明かされるんだが、そこを知ると前半での堅物っぷりは単に余裕のない若者でしたな。戦時中ですから、ウィッチの活躍は扶桑海事変のように煌びやかに華やかに誇張されて伝わっているんでしょうから、自分が憧れていた人が出会っていたら威厳の欠片もない普通の人だった。なんてよくある話です。そこを認められないのもまぁ若さゆえ。静夏ちゃん、今後どうなるんでしょうね3期ではもっさんポジションが宮藤で一期の宮藤ポジションに静夏ちゃんが座るのか。これっきりの使いきりなのか。なんとも気になる所。
  • もっさんは生きていました。「戦艦大和に浮き輪つけて川を上っていました」言葉の語感からヴィンランド・サガの船を担いで山を登って奇襲を掛けた話を思い出すかもしれませんがたぶん関係ないです。もっさんは、どうやら本当に飛べないようで飛行機で宅配便してました。「宮藤さんに震電のお届けです」てな具合に。烈風丸と烈風斬の事を一切喋らなかったのはたぶんもっさんも2期が終わって「さてさて巷の評判はどうかな?」って聞き耳立てたら、そこらじゅうで「れ、烈風斬wwwwwちょwwww烈風丸wwwwクソワロタ」とか「【乞食速報】お前らamazonで烈風丸が安売りしているぞ!!!!」とか「正直烈風斬はアリだと思っているヤツ→(12)」とか観て、夜中ベッドの上で枕がぶって

ジタバタしたんだと思う。それを察して他の501も何も言わなかったし。501を傾倒する静夏ちゃんでさえ「そういえば、501といえば坂本少佐のれっぷ………ゲフンゲフン。すいませんここカットでお願いします」って具合になったのでしょうね。大人になったよなぁ、魔眼ってかっこつけてたカラコン外してんだもん。(カラコンじゃありません)

  • 最後に宮藤さんは相変わらずのおっぱいハンターで、実際この映画、静夏ちゃんと二人で船に乗ってリーネちゃんに出会った所で、これのサブタイトルって『宮藤芳佳の巨乳探求記』じゃないかと、諸国方々の巨乳ウィッチに出会いその豊満で神聖な霊山を巡る旅になるのかと危惧しましたよ。そしたら、ガリヤ妻に出会った後は、意外と真面目なシーンばっかりで、ぶっちゃけ、『船の爆薬庫爆発5秒前』でウルっときて、リーネちゃんが作った白衣を包帯にする為に破くシーンで泣けて、ジープ乗り回してネウロイと戦うシーンでまた泣けて、最後の覚醒で泣けた。やっぱ宮藤が飛ばんとスト魔女が始まらない。医者になるとか言っていたが、魔力が復活した今、いつでも医者になれるのだから軍人復帰だろうなぁ。祖母、母に言った「私、留学するよ」は、刺激のない田舎がうざくてこれぞチャンスと田舎脱出を狙う田舎の高校三年生みたいでおじさん心配だった。非行に走らないかと(あぁ、ここ非行と飛行を掛けた駄洒落だぞ!!面白だろ?書いた瞬間死にたくなったわ)
  • ネウロイの母艦が完璧に男根でした。本当にありがとうございます。アレに迷わず攻撃を仕掛ける時点でミーナさんは純潔!分かったな!!
  • 宮藤博士どうしたんだろうね。愛染が倒されて「死神代行消失篇」が終わって新章に入った、今なら誰も「はんぺん野郎」なんて言わないんだけど、心の傷って身体の傷と違って時間だけじゃ治らないもんだよね。


総括
戦闘シーンが良くぱ、ズボンが沢山観れる。最後の方じゃ「お腹一杯です」気味にいっぱい観れる。ストーリーも服部静夏と宮藤芳佳を中心に物語が始まり、あいだあいだに501の紹介と現在の状況。そして浮かび上がる新型ネウロイの脅威。と盛り上がる。欲を言うと、後半がちょっと在り来たりなのと。新ウィッチが出すぎていてハイデマリーが出すぎているとかではなくて新ウィッチ達の数が多すぎて、出だしで新規の方に向けて世界観から始まっているのに、既存ファン&コアファンに向けたサービスをしすぎていて、獲得したいモノが良く分からない。新規ウィッチを少し減らして、その分登場ウィッチをちょっとだけ深く掘っても良かったのでは。3期あるんだし。
全体とした話は、最後まで観ると「これってTVシリーズで4話くらい掛けてやる程度の話だったんじゃないの?」と言われたら身も蓋もない出来なので、劇場版という、映画館という、銀幕という空間に騙されて観に行って欲しい。
最後にやはり、3期やって劇場版第二弾がもしあるとしたら、その時こそ総力戦を、弾丸の雨が降り、爆風で大地が裂き、血で血を洗う圧倒的な総力戦が見たいなぁ。

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