踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

あらすじ:湾岸署管轄内にて行われている国際環境エネルギーサミットの会場内で誘拐事件が発生する。懸命な捜索が行われるも誘拐された被害者は数時間後に射殺体で発見され、使用された拳銃が警察が押収した物の一つだと発覚する。緊急会議が開かれ、所轄には極秘状態という異例の捜査体制が発表される。そんな中、第二の殺人事件発生する(wikipediaより)



感想(ネタバレ満載):
『劇場版踊る3』では、青島の木の杭で鉄の扉を叩く、除夜の鐘を模した行動に多くの鑑賞者様が失笑し、誤診という在り来たりなハプニングに嫌気が差し、魅力的で無く必要性の感じられない新キャラクターに疑問しか残らなかった。
そんな悪い点ばかりがフィードバックされるのに何故私はこの作品を観てしまったのか。劇物とラベルの貼られたボトルの内容物を一気飲みするような行為を行った自分は一級のマゾであると真摯に受け入れるしかなった。
反省終わり。


3で出てきた小栗旬さん演じる鳥飼がやっと役立ったので3はファイナルの布石だった。伊藤敦史さん演じる和久伸次郎と内田有紀演じる篠原夏美の存在性は皆無。
他にも3で出てきた新キャラが登場するが、実際いらない人ばかりで、大人数が画面内を動き回る踊る大捜査線において、この増員は見ていて辛かった。何処に注目しろと…。人が増えすぎてスリーアミーゴズの必要性まで消えた。


踊る大捜査線の見所といえば『青島の奇行』であるが、
今作では、
犯人の心理を理解すると自転車に跨り深夜の街を一人激走。(他の警官と一緒にパトカーでいけばいいのに…)
閉鎖された環境サミット開場のガラス扉を叩き警備員を呼び出す(このシーン、扉に鍵が掛かっているのかと思ったら普通に素手で扉をこじ開けて笑った。警備がザルすぎる)
会場内を走り回り、子供の落とした手提げ袋を見つけまた走る。(手提げ袋の先に犯人がいると思ったら…)
なぜか倉庫街を走り回り、こける。(自転車は消えた)
数分うずくまる。
立ち上がって古傷の痛みに耐える。(急に古傷が疼く)
考えながら走りあるモノを見つけて室井に電話する。
「バナナだ!」と叫ぶ。
室井も最初は、「何言ってんだコイツ」と言った反応だが、繰り返される「バナナ」に、感化されたのか「総員に告ぐ、バナナだ」と叫ぶ。
みんな「バナナ」と叫びあわてる。
和久(チビノリダー)の「なんでバナナなんですか?」の問いに青島は「子供はバナナが大好きだからだ!!」と答える。(俺の寒気が止まらない)
バナナ倉庫に潜入すると犯人と誘拐された子供を見つける。

結果オーライとはいえ、なんか凄い展開でした。
そもそも、この事件は過去の事件を模している訳ですから、「犯人は最初子供をおもちゃ屋に連れて行った」とかそうゆう過程の問題を省いて、最初から「犯人は東京タワーの見える倉庫に潜伏していた」と答えればよかったのでは…。そうすれば、青島はあんなに走り回らなくても良かったような。そもそも、犯人は銃を携帯している可能性があるのに、青島に単独行動取らせる時点で、過去の過ちを誰も理解していない展開がどうかと思いますよ。
その後の安いCGにも…ゲンナリ


話の内容自体は、過去の事件と現在の事件が入り乱れる展開なので、一度では理解しがたい。主人公サイドの人間を見ただけでは現在の事件しか理解できず。過去の事件担当者のの鳥飼・小池・真下を注目するのは一度ではきつい。
話自体は及第点。
珍しくネットを使った話題が出なかったのは意外。
青島とすみれさんの関係を、最後だからと恋愛に持っていかなかった事も良かった。
警視庁上層部と現場の軋轢が踊るのテーマだったが。ファイナルと銘打ってもその問題は明確には解決されないのは、現実的であったが映画としてはどうなんでしょうね。
というか、コレって『4』でよかったような、客引きの為に掲げた看板だけで某服屋の年中掲げている「閉店セール」のように続編作る気満々ですよね。
サブタイトルの『新たなる希望』というのも見終わった今では意味が不明である。ほぼ青島が解決したし…。


3よりは酷くないが、コレに1800円出すのは全く勿体無い。
100円レンタルで済ますがよかろう。たぶん、世間の話題にもならない。目を見張るキャッフレーズも無い。


余談。
世間が面白かったと言っていたので、俺はたぶんあの2時間は夢を観ていたんだ。上映後、みんな無言だった事は感無量だったのだろうなぁ。