ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー (終)

ネタバレ無しの感想

ここ数年で最高の出来のJRPG


ブレイブリーデフォルト - 3DS

ブレイブリーデフォルト - 3DS




ネタバレを入れつつ感想







最終的にプレイ時間約50時間、レベル70後半、「聖騎士、導師、魔界幻士、モンク」というパーティでクリアしました。(聖騎士のランパートによる防御、魔界幻士の召喚合体で使えるギルタブリルで強化した召喚魔法、導師で使う白魔法、モンクの点欠がメイン。雑魚戦はマルチバーストと召喚魔法の連発による短期戦)



序盤こそ、王道RPGというテーマらしいクリスタル解放とパーティの絆作りがメインのシナリオで楽しく進めた。序盤ではヴァルキリーを手に入れるとレベル1で覚えられる「クレセントムーン」が強力で、「両手持ち」スキルと合わせて使い、連発すると雑魚は蹴散らせるので戦闘は余裕だった。フロウエル後のアニエスには「ちょっとは周りを察しろよ」と呆れ、その後のティズのシャカリキっぷりには「冷静になれ」と呆れる。仲直りのムービーを見た時に、ソレがあるならOPのCGムービーもソレで作れよと思う。村復興で買える装備が強力。

中盤。
クリスタル解放が終りホーリーピラーに突入する際にエアリーから「もう戻れなくなるけど準備は良い?」のラスダン前にあるお決まりの台詞に「もう終りか…」とあっけない気持ちになりながら、サブクエを終わらせて突入。まさか、あんな事になるとは……。
『「繰り返す世界」突入!』
「まどかを救うためなら私は何度だって!」
「まゆりを救う為なら俺は!」
三回目の世界で彼らの気持ちが分かり始める。

終盤。
「アニエスさんよぉー、エアリーぶっ殺すぜ!」と願いつつ、フラグが立つのをまって黙々とクリスタル解放を続ける俺。(さっき知ったがクリスタル破壊が出来るとは、連打面倒臭くてソコまで押していられなかった…)
計20個のクリスタル解放を終えた俺は、エアリーが正体を現したときに「おっしゃー!!」と雄叫びを上げてしまった。
エアリーの「万の世界を連結した」の言葉に高々5つの世界を巡った俺には辿り着けない境地というものがあるのだな、と絶句。
その後エアリーをボコボコにしてウロボロス登場。
ウロボロスの「俺は神界を攻める!!(ドーン!)」に、神界って何?状態になる。
今思えば、その神界ってプレイヤーの世界だったのね、ティズの中に二つの魂があるって設定は、ティズとプレイヤーという意味だったのね。最初のARでアニエスがプレイヤーに助けを求めて、プレイヤーがティズの身体に入ったという洒落た話だったのだ。
世界を喰らい回復するウロボロスに「もうダメだ……」となった時の「俺たちが付いているぜ!」のアークインパルス展開に涙。
ウロボロスをボコボコして勝利!
EDの曲と和気藹々に語り合う先で眠りに付くティズが。


総括。
良い王道RPGだった。
初週の売り上げが14万本なのでヒットしたか、していないかは微妙なところだが。
アマゾンレビューは未だに高評価ばかりだし、その評価が偽りではないと思える出来であった。
クリア後に「FF15として発売しても問題ない出来」だと思ったが、「FINAL FANTASY」ではなく「Flying Fairy」とした理由がシナリオを進めると分かるのでコレはコレで正解だと思う。
世界観やジョブシステムは往年のファイナルファンタジーを見事に再現しているし、戦闘システムの「ブレイブリー&デフォルト」はATBシステムとは違った、ゆったり戦略を練りながら戦闘の駆け引きが楽しめる素晴らしいシステムだと思う。(ユーザーの意見を入れて早送り機能をつけた事は英断)必殺技作成や配信も携帯ゲームならではのシステムである。
音楽もSound Horizonのrevoが手がけて、その中世の世界観にマッチし、どこか懐かしさを覚える曲は素晴らしい。
そして、シナリオである。
5bpの林直孝が描くその物語は、王道RPGをテーマに、序盤こそ王道らしいストーリーなのだが、中盤から主人公達が何度もタイムループしたり(正確には平行世界への移動なのだが)、従者が真の敵だったりと。ファンタジーからスチームパンクへの流れていったFFでは味わえないモノを体験できた。時に何度もクリスタル解放をさせられるあの時なんぞ俺は頭が痛くなったよ。それゆえに真終章へと辿り着いた時の喜びはひとしおなのだが。
悪かった点を言うと。
インターフェイスの操作性が十字キーの右を押すと決定になる操作性はミスを誘いやすいのでいらなかったかな。ステータス画面にジョブの修練度のメーターを入れて欲しかった。
クリスタル解放を続けることに心が折れる。せめて世界を変えるごとにティズは宿屋でいいけど、他のキャラは世界に散り散りになっていたり、その世界独特のイベントが起きたりして欲しかった。または火と土のクリスタル神殿への直通ルートを作ってくれ。ダンジョン走るのだるい。
ジョブレベルが20くらいまで欲しかった。すぐカンストしてしまう。ダメージも9999までなのですぐカンストしてしまう。召喚獣も少ない気がした。FFとは違う現代社会を切り取ったような独特な召喚獣はもっと見たかった。
まぁ些細な事でしたよ。

2011年にこんな面白いRPGがしれっと出てくれた事には感謝。JRPGというジャンルはここ十数年は世界から笑い者にされていたが、この作品はそんな風潮を打ち砕いてくれる世界に誇れるJRPGだと確信している。




余談1.
吸血鬼と老師の戦いで山が裂けたり、平野が砂漠化した話には不覚にも笑った。


余談2.
レスター卿のモデルがドラキュラだとは分かったが、レスター卿の声って中田譲治さんじゃないよね。赤魔法士は中田さんだけど。レスター卿があの人だと、とんだアーカードになるんだが…。