アルゴ

あらすじ:イラン革命真っ最中の1979年。イスラム過激派グループがテヘランアメリカ大使館を占拠し、52人のアメリカ人外交官が人質に取られた。だが占拠される直前、6人のアメリカ人外交官は大使館から脱出し、カナダ大使公邸に匿われる。CIAのトニー・メンデスは6人をイランから救出するため、『アルゴ』という架空のSF映画をでっち上げて6人をそのロケハンのスタッフに身分偽変させるという作戦をたてる。(wikipediaより)

感想(ネタバレ含む):
事の顛末を漫画風の絵コンテでPOPに紹介しつつ、次のシーンでは民衆の暴動をリアルに描写するという場面の温度差というか緩急の取り方の上手い導入から始まり、史実を元にしている為に『結果』を知っている観客にも飽きさせないようにする手法が練られている。
たとえば、イラン人が喋る言葉にあまり字幕を入れない。空港で主人公達が捕まり尋問を受けるシーンなどでは、イラン人の言葉に字幕を入れない事によって、怒声を上げるイラン人が何故怒っているのか分からない不安や戸惑いを主人公達と観客も共有出来るという訳である。あの手法には上手い事考えたもんだな。と関心した。
映画自体は面白いのだが、予告を観るともっとポップなノリの物語だと思っていたのでその事件自体の重さが極めて正確に表現されている作品だったのでその肩透かしというか重たさに辛い部分もあった。